Publish date:
Last updated at:

面接で「最近読んだ本」の答え方/例文とNG例

就活の面接で「最近読んだ本を教えて下さい」という質問を稀に企業が行います。「最近読んだ本」、このには質問は想定しないと上手い答え方ができません。そこで最近読んだ本の答え方、NGポイントをお伝えします。

企業が面接で「最近読んだ本」を質問する3つの意図

面接でよく聞かれる「最近読んだ本はなんですか」という質問。あなたならどんな答え方をしますか?

当記事では「最近読んだ本」に対する適切な回答方法を紹介していきます。

まずは前提として、企業はなぜ「最近読んだ本」を聞くのか、その質問から見極めようとしているポイントを知り、質問に対して適切な答え方ができるように準備を行いましょう。

企業が「最近読んだ本」を聞く意図は、主に以下の3つです。

質問の意図① 就活生の人間性が知りたい 企業の採用担当者は、就活生が日頃から何を考えているのか、何に関心があるかを面接を通じて知ろうとしています。

例えば、同じ「本を読むことが好き」な人物でも、「物語を読むのが好きで、小説をよく読んでいる」という人と、「何か自分の苦手なところを克服するために、ビジネス書や指南書を読んでいる」という人では、関心や考え方が違うことがわかります。

企業にとって、就活生が読む本の傾向は人の内面や人となりを知る手掛かりとなります。

面接官はその手掛かりから「この学生は普段からどういうことを考えているのか」「どんなことに興味があるのか」を探るために、最近読んだ本について質問します。

面接を通じてその学生の興味や思考を知り、自社で活躍する人材像と重ね合わせることで、採用にふさわしい人材かを見極めようとするのです。

質問の意図② 学習意欲や向上心があるか確認したい 上記の理由に関する点として、多くの企業は「学習意欲」や「向上心」のある人物を求めています。

自分ができないことをできるようにする、あるいは得意なことをもっと深めていくために自ら進んで学びを得ようという考え方は、どんな企業でも、どんな仕事の場合でも、ベースとなる考え方の一つです。

普段から問題を解決する手段として読書をする人は、企業に入社後にも問題に対して前向きに対処することが想像できますよね。そして、それは何もビジネス書だけに限りません。小説・歴史などからも、色々な学びを得て、仕事や生活に活かすことが可能です。

面接において、そんな姿勢を持っているかを確認する手段の一つが「最近読んだ本は何か」という質問です。

質問の意図③ 説明能力を見ている 企業で仕事を行う場合は物事をロジカルに、分かりやすく説明能力が重宝されます。例えば営業担当として自社の商品を売る時。その商品の魅了を、顧客企業に対して明確に伝えられる説明能力は重要なポイントの一つです。

そこで面接において、就活生がそんな説明能力を持っているかを判断するために「最近読んだ本」という質問をします。

最近読んだ本を紹介する時は、「どんなテーマの本か」「内容はどんなものか」「その本の面白さ・魅力は何か」などのポイントを押さえ、簡潔・明確な答え方をすべきです。面接官は「最近読んだ本」を聞き、就活生の答え方を見ることで、説明能力があるかを判断しています。

※15分でわかる対策資料で、「面接」を徹底対策したい方はこちら↓ インターン・本選考に向けた「面接」対策資料はこちら

※先輩内定者との「模擬面接」で面接対策を完璧にしたい方はこちら↓ 「模擬面接」で面接対策を完璧にする

「最近読んだ本」の答え方、回答例文とは?

先ほどは、面接官が「最近読んだ本」という質問で見ているポイントをお伝えしました。

そのポイント押さえて質問に回答できれば、企業の面接官から合格点が得られるでしょう。では、具体的にはどんな答え方をすれば良いでしょうか。

回答時に盛り込むべき情報

①本のタイトル ②著者名 ③その本を選んだ理由や動機 ④本の概要 ⑤その本から学んだこと ⑥本から得た知識をどう活かしているか

以上ようなポイントを意識して、適切な答え方を考えてみましょう。

上記のポイントが満たされていれば、先ほどの「企業が質問をする意図」に対して、自然と的確な答え方ができます。

ポイントは、③④は簡潔にまとめ、⑤⑥にフォーカスして紹介することです。

それでは、実際に上記のポイントをまとめた答え方の例文を見てみましょう。

~回答例文~ 私が最近読んだのは、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』という本です。著者は、アービンジャー・インスティチュートというアメリカ・ユタ州にある法律、経済、哲学などの専門家が集まった研究所です。

Google、Appleなど、数多くの有名企業がこの本を研修に採用していること、またラグビー日本代表の五郎丸選手が推薦していると聞いたことがあり、何か学べることがあるのでは、と思い読んでみました。

この本は身の周りの人間関係などで問題が起きた場合、私たちはどうしても「相手の問題」として考えてしまいます。しかし、本当は「自分」の方に問題があるという内容です。自分中心の視点で物事を考え、自己を正当化することを「箱」という分かりやすい切り口で人間関係の真理を説いています。

私自身、人と分かち合えない時、いつも自分のフィルターだけで物事を見ているということに気づかされました。上手くいかないことが続くと、自分を正当化するために物事を歪んで見ていたかもしれません。

この本を読んでからは人間関係などで壁にぶつかった場合、自分が箱に入っていると相手も箱に入るので問題が解決しないという発想を知りました。その上でまず自分を正当化するために「箱に入った状態」になっていないか、相手を尊重し相手の視点で物事を考えているか確認しています。

例文は上記の6つのポイントを押さえて構成されています。実際の面接で皆さんの最近読んだ本ならどう話を進めていくか考えながら再読してみてください。

※「面接を苦手に感じる...」「基礎から徹底的に対策したい...」そんなあなたはこちら

面接で「最近読んだ本」の対策前に。本選びのポイントとは?

さて、企業が質問をする意図や、回答のポイントを説明してきましたが、面接でもうまく答えられそうでしょうか。

ここで、「最近読んだ本」ではどんな本を回答すればいいの?回答する本は、なんでもいいの?と迷っている人もいるかもしれません。

次は「どんなテーマの本を選ぶか」という観点を見てみましょう。

①「評価されそうな本」を無理して回答しなくて良い 最近読んだ本を選ぶ際に、無理に難しい題材の本を選ぶ必要はありません。

先ほどのポイントから考えると、「その本をなぜ読んだのか」という目的と、「その本から得られたもの」つまり学びが大切になります。

「難しいビジネス書を読んでいることをアピールすれば、企業に評価される」と考えても、その目的が曖昧だったり、学びがなければ意味がありません。

また、本を説明した際に、面接官からより深い質問をされることもあります。「なんとなく評価されそうだから」と、あまり興味のない本を選んでしまうと、話題が広がった時に対応が難しくなりますよね。

ただでさえ、面接は緊張するものです。無理に「良さそう」な本を語るのではなく、きちんと目的を持って読み、学びを得た本について答え方をすることが重要です。

②小説やエッセイ、評論はOK、漫画やライトノベルは控える ただ、ここで一つ注意点。面接で最近読んだ本について話す際には、漫画やライトノベルを選ぶのは控えた方がいいかもしれません。

漫画やライトノベルといった本からも、学びを得られることはあるでしょう。有名な経営者などでも、漫画が好きな人は多いと言われています。

しかし、世代によっては「漫画」というだけで「娯楽」と認識をしている人も少なくありません。「面接の場で娯楽の話をされても...」と思われたり、「この就活生は、活字で読書をする習慣がないんだな」と判断されてしまう可能性もあります。

残念ながら、面接で漫画やライトノベルについて語ることは、リスクになり得ると考えておくべきです。

③ビジネス書について回答する

仕事のやり方や心構え、効率化の方法、処世術などを学ぶことのできるビジネス書。

就活生はもちろん、社会人にとっても、学びの大きい本はたくさんあります。

「就活に際してビジネス書を読み、そういったことを学んでいる」「自分に足りない社会人の要素を今のうちに学んでおきたい」という姿勢は、どんな企業でも評価をされるでしょう。

またビジネス書には、業界研究や企業研究であったり、大手企業の創立者や社長がキャリアについて書いた本など、就活の様々な観点から重要な本がたくさんあります。

「就活で面接を通過するため」「最近読んだ本という質問に回答するため」だけではなく、普段からビジネス書を読む習慣をつけておくと、入社後にも役立つかもしれません。

④自己啓発書について回答する 自己啓発書も、学びにあふれた本の一つです。新しい価値観を得たり、自分のモチベーションをアップさせたり。

「何か目標を達成するために、自己啓発書から学びを得て活用している」という考え方は、先ほどのポイントでも述べたように、高評価が得られるでしょう。

就活へのモチベーションを保ち、ポジティブ思考でいるためにも、自己啓発書を今のうちに読んでおくのも良いでしょう。

⑤志望する業界や志望する職種に関する本を回答する

次に、志望する業界や職種に関する本も良い選択の一つです。例えば営業職を志望している場合は、営業に関するビジネス本を読んでみてもよいでしょう。

理由としては、志望業界や職種に対する熱意や志望度の高さをアピールできるため。しかしただ志望業界/職種の本を読んだからと言ってアピールにはなりません。

自分が業界・職種に興味を持った動機、そして本を読んで得た学びなどを伝え、アピールにつなげましょう。

以上を最近読んだ本としておすすめのジャンルやポイントを挙げました。ビジネス書や自己啓発書がとっつきにくいと感じる方なら、小説からスタートするのも問題はありません。

あくまでも「最近読んだ本」の質問のポイントは「自分の価値観」や「学習意欲・動機・学び」、そしてそれを「説明する力」の3点です。 ファンタジーのような物語、推理小説などを対象としても、3つのポイントをきちんと踏まえて読んでいるのであれば、上記の条件は満たせるでしょう。

もちろん、先ほどお話ししたように「評価されそう」だからと無理してビジネス書や学術書を企業に伝える必要はありません。自分が興味を持って読んだ本を回答すれば良いでしょう。

※15分でわかる対策資料で、「面接」を徹底対策したい方はこちら↓ インターン・本選考に向けた「面接」対策資料はこちら

※先輩内定者との「模擬面接」で面接対策を完璧にしたい方はこちら↓ 「模擬面接」で面接対策を完璧にする

面接前に読んでおきたいおすすめの本2選

①『1分で話せ』(2018年) 伊藤羊一(著) 出版社: SBクリエイティブ

世界の企業のトップたちが絶賛したという注目のベストセラー。おすすめする理由としては、ビジネスシーンだけでなく、自己PRでも役に立つため。内容はプレゼンテーションを通じて他人を動かすための、1分間で大事なことだけを簡潔に伝える方法を紹介しています。これまでは意識しなかったような伝え方が満載です。

②『自分を変える習慣力 (Business Life 1)』(2015年) 三浦 将 (著) 出版社: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

「何かをやり始めてもいつも続かない」という悩みを解決する手助けとしておすすめの1冊。潜在意識を味方につけて自分を変えるための「習慣力」を鍛える画期的な方法は、社会に出てからもきっと役立つでしょう。

面接で「最近読んだ本」のNG回答とは?

では最後に、面接での注意点を説明して、解説を終わりにします。

日頃本を読まない人にとっては、「最近読んだ本はなんですか?」という質問に答えるのは苦しいかと思います。しかし、面接では必ず質問には答えないといけないもの。そこで「最近読んだ本はなんですか?」という質問に対して絶対にやってはいけないことが存在します。

苦手な質問に対しては焦りからついついしどろもどろになることも。ここでは絶対に言ってはいけないNG回答を3つ紹介します。

本は読まないと断言する 本を読まないと断言すると、人とのコミュニケーションで話題を提供できない人だと思われる可能性があります。知識や話題が乏しいため、話をしていてもそれ以上膨らまず、会話ができない、知識がないと思われてしまうのです。

ビジネスの現場で、話題の提供能力、また話題を深化させる知識力はとても必要になってきます。実際に仕事をしていくと、チーム間のコミュケーションや取引先とのやり取りで自分に足りないと思う知識はその都度学習して習得する必要があります。簡単に本を読まないという答えを出しすのは、そんな即応力を持たない人だと自ら言うことです。

本の紹介」だけを話してしまう 先ほど説明したように、面接官は就活生が最近読んだ本から、その人の興味や思考力を分析します。

すると、面接官が聞きたいのはあくまでも「本のあらすじ」ではなく、「なぜその本を読んだのか、読んだ結果どんな知識を習得したのか」という本を読むプロセス・結果です。

本の紹介だけで終わらせるのではなく、概要は簡潔に話し、プロセス・結果部分が伝え、自分のPRにつながる答え方を意識してください。

またポイントとして、少しでも印象を良くするために本を読まなければいけないと義務感で読んでいるのであれば、それは本質からずれています。本を読んでも意味がありません。本は「自分の学びを得るために読む」この本質をしっかり捉えましょう。

読んでない本を読んだフリして話を盛る 面接で最もしてはいけないことは、嘘をつくこと。素直に自分のことをプレゼンテーションすることが、面接攻略に最も重要なことです。そのことからも、実際は読んでいない本を読んだと答えるのは絶対NGです。

たまたま話題な本を最近読んだ本として回答したとしても、面接官が読んだ本について深掘りをしてきたら当然ボロが出てきます。

面接官に感想を求められ、しどろもどろになりながら回答をしていたら、嘘をついていると直ぐにバレてしまいその時点で面接は失敗に終わります。面接官の信用と信頼を得るためにも、嘘をつかないことは絶対です。

※「面接を苦手に感じる...」「基礎から徹底的に対策したい...」そんなあなたはこちら