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企業が「即戦力」の学生を求めない本当の理由とは?

「企業は新卒選考で就活生のスキルを評価している」 「企業は『即戦力』を新卒の就活生に求めている」 そんな勘違いはしていませんか? もしそう考えているなら、要注意。 あなたは選考でアピールすべきポイントを間違えてしまっているかもしれません。 このコラムでは ・企業は、就活生に即戦力性を求めているのか? ・即戦力を求める企業は何を考えているのか? ・あなたが選考でアピールすべき本当のポイント、その方法 について、解説をしていきます。 これから本格化する就職活動。この記事を読むことで、間違った認識を正しながら、確実に前進していきましょう。あなたの就活の手助けになれば幸いです!

企業は新卒に「即戦力」性を求めているのか?

「企業は新卒選考で就活生のスキルを評価している」「企業は『即戦力』を新卒の就活生に求めている」就活にあたって、そうお考えの方も多いのではないでしょうか。

しかし、新卒採用において企業側は就活生に「即戦力」性があるかを重視しているのでしょうか?

実は、一般に多くの企業は新卒採用時点で学生が即戦力となりえるかどうかは求めていないと言われています。

中途採用と新卒採用の目的の違い

まずは、採用の目的を理解するためにまずは新卒と中途の採用の違いを見てみましょう。

新卒採用

目的:企業の文化を継承する将来的な戦力の採用

見ているポイント:

・将来的な戦力になりえるか、というポテンシャル

・育てやすさ

ポイントをアピールするために意識すること:過去の経験に基づいた思考特徴

採用までにかかる期間:半年〜1年

内定から入社まで:半年〜1年の猶予あり

中途採用 目的:短期的に即戦力となれる能力を持った人材の採用 見ているポイント:

・過去の社会人経験とそこで出した成果

・保有スキル ポイントをアピールするために意識すること:上記をよりわかりやすく伝える方法 採用までにかかる期間:早い人で1ヶ月 内定から入社まで:決まれば即入社の可能性も

以上、新卒採用と中途採用の目的は真逆とも言えることがわかります。

将来、企業の戦力になるだけでなく、その企業の「コア」となる人材を求めているため、新卒採用はその学生にどれだけ伸び代があるかというポテンシャルを見ているのです。 だからこそ、新卒選考において中途採用の目的に合わせた「結果や能力」のアピールは意味がありません。重要なのはあなたが「将来的に戦力になるかのポテンシャル」を証明することです。

うまくポテンシャルをアピールする方法

話は逸れますが、上記の理由から、新卒採用において自らのアピールをするためには「ポテンシャル」に注目することが必要です。

ポテンシャルをアピールするためには、「経験」ではなく、「あなたの行動や思考」にフォーカスをすると良いと言われています。

例えば、「留学」経験のある就活生は「経験の詳細」や「語学力」といった「スキル」をアピールしてしまいがちです。しかし、

新卒採用の目的に合わせるならば、

・留学期間内で何かに疑問を持ったか、どんな疑問か ・その疑問に対してどう行動したのか ・その行動からどんなことを学んだ・感じたのか

といった「思考特徴・行動特徴」をアピールしましょう。 そうすることによって「問題に対して行動できる」「適切な思考によって、課題を解決できる」といった「ポテンシャル」を伝えることができ、人事担当者も「この学生は、仕事でも同様の思考・行動によって成果を出すのではないだろうか」と評価をしてくれるでしょう。

ポテンシャルのアピールの仕方の詳細については、こちらの記事も参考にして下さい。 あなたの留学経験の最適なアピール方法

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それでも新卒に「即戦力」性を求めてくる企業って?

前項では、一般的には「企業は新卒に即戦力性を求めていない」とお伝えしました。 しかし、それでも「即戦力となれる人材、求む。」こんな文句を謳う企業は存在します。 では、なぜその企業は「即戦力」を求めるのでしょうか。

その理由は、大きく分けて3つに分けられます。

① 成長目覚ましいベンチャー企業

急速に事業が成長しているベンチャー企業の中には、若手に一定の「即戦力性」を求めている企業もあります。

そんな企業の状況を考えてみると ・事業の成長に対して人員が足りないため、若手にもコアメンバーになってもらう必要がある ・新たな事業がものすごい勢いで成長したため、売上は上がっているが仕組みは整っていない という状況が多々あります。

その場合、若くして成長し活躍できるポテンシャルはもちろん、何かしらのスキルを持つ即戦力性の高い人材を求める場合があるんですね。

一方、注意しなくてはいけないポイントも。

即戦力を求めるその会社、ブラック企業予備軍かもしれません。

ブラック企業の状況と言うと例えば、

・離職率が高く新人にも早くコアメンバーになってもらわないと困る状況下にある。 ・上記、同じ原因や組織の仕組みにより新人の教育・研修体制が整っていない。 ・新卒に対して費用がかけられないコストに余裕のない状況である。

などの可能性が考えられます。

こんな風に、人材の部分に課題を抱えている会社が、「即戦力」を求める傾向にあり、 状況が悪化すればさらにブラック企業化する可能性もありえます。

同じ「若手にコアメンバーになってもらう必要がある」「教育体制が整っていない」でも、その原因によっては天と地ほどの差があります。

会社に「機会」が数多くあり、「即戦力」を求めるベンチャー企業。 一方、会社に「問題」が数多くあり、「即戦力」を求めるベンチャー企業。

その見極めには、注意が必要です。

② デザイナー・エンジニアなど専門性の必要なスペシャリスト採用を行う企業

もう一つは、上記の「スペシャリスト採用」です。 業務に専門性が必要であり、そのスキルが明文化されているため、そのスキルを保有する学生を求めているのです。

③ 外資系企業 上記2種に分けられない例外として、外資系企業があります。

外資系企業の採用の多くは中途/新卒採用問わず短期間で人材の投資から利益を回収することを目標にしています。 じっくりと育成しようという意識がそもそもありませんので、社内の仕組み自体が、採用した人材がいかに短期的に実力を発揮できるか、ということを一番に考えて設計されています。

上記の理由から新卒採用エントリーが可能な企業であっても、新卒にも中途社員と同じく、「即戦力」性を求める企業が多いです。

もしあなたの目をつけている企業が「ブラック企業予備軍」に含まれそうであれば、要注意。 成長しなければならない環境は提供されるかもしれませんが、あなた自身が精神的に磨耗してしまうかもしれません。

入社後にいち早く即戦力となる人に共通する3つのポイント

新卒採用時点で即戦力性は求められてはいなくても、就職後、いち早く力をつける必要があるのは例外なく皆同じです。 それでは、どんなポイントを意識していれば、あなたは即戦へといち早く近づけるのでしょうか?

下記の3点を意識してみてください。

・業務計画や達成したい目標を立てて計画を作成する力 ・計画後に行動に起こし、目標達成までやりきる力 ・達成後に成果を分析し、うまくいかなかった部分は改善する力 いわゆるPDCAサイクルとも言えます。

*PDCA‥PDCAサイクルは、生産技術における品質管理などのPlan→ Do→ Check→ Actionの 4段階に分けられた継続的改善手法のこと。

あなたは上記の3つの条件を常に発揮できる人材と言えるでしょうか? 就職するということはどんな業務を行おうと、「小さな課題解決の繰り返し」です。 自身で課題を見つけ、思考し、行動に移す。 そして、結果を改善する。その繰り返しです。 当たり前のことで、多くの場所で聞いてきた言葉になる方も多いとは思いますが、 この当たり前をどんな環境下でも意識し、アウトプットできる人材を目指していきましょう。

企業が新卒に求める能力に関して、こちらの記事も参考にして下さい。 ベテラン人事が語る、新卒就活生に身に着けてほしい4つの能力

まとめ

このコラムの要点をまとめます。 1.新卒採用で重視されるのは「即戦力となりえるか」ではなく「将来戦力になりえるか」である 2.それでも新卒選考にて「即戦力」採用を謳う企業は余裕のないブラック企業予備軍か、

  スペシャリストの採用を実施している企業の2種類に分けられる 3.新卒入社後、急成長する人材は「思考・行動・改善」を常に意識づけている

面接にてあなたの「ポテンシャル」性を効果的にアピールし、あなたの望む方向への道を切り開いていきましょう。

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