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面接における弱みの正しい伝え方とは?現役人事が徹底解説

就活面接の中では必ずあなたの人間性を質問します。特に就活生から相談されるのは「自分の弱み・短所」について。今回は自分の「弱み・短所」の面接対策・事前準備について解説致します。

面接官があなたの弱みを聞く目的

多くの就活生は、「なぜ面接官があなたの短所を知りたいのか」「長所だけではだめなのか?」を気になるかと思います。

面接官があなたの「弱み」を質問する背景には、大きく2つの理由があります。

1.就活生の人柄を知り、企業との相性を確認する。 短所を聞く理由として、就活生の人柄を知り企業や部署の組織風土と合うかどうかを確かめる狙いがあります。

企業は人と人が集まって仕事をして成り立つ組織です。この組織運営の観点から、就活生の人柄を面接官は知りたいのです。組織運営において重要な要素は、その組織に属している人間の関係が円滑である事、その組織が持つ雰囲気に合う事。

その為に事前に受験者の「強み」も「弱み」も確認をした上で、例えるならば「パズル」に合う新入社員という「ピース」を探しています。

2.受験者が自分の「弱み」を克服する姿勢を持っているか確認する。 2つ目の理由は、自分が自覚している弱みに対して「改善する姿勢」を持っているか確認したいためです。

人は誰しも弱みがあるのが当然です。しかし、それを自分の弱み・短所として理解しているのか?そしてその弱みを克服する姿勢を持っているかどうかが面接官にとって重要。

もっと深堀すると、弱みという「課題」「問題」に対して、向き合うスタンスがあるかどうか、課題に対して向き合える人としての芯を見極めたいと考えています。

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面接で弱みを回答する際のポイントとは?

弱みについて回答する際に注意をすべきポイントは以下の5つです。面接時に念頭において回答してください。

1. 組織として働くことに大きな支障がない「弱み」かどうか 冒頭に述べた様に、面接はその企業の組織において、一緒に仕事をする人材を見極めています。そのため、あなたの弱みが組織として働く上で致命的な場合、不採用となります。

例えば、「人とのコミュニケーションが苦手」「人と仕事をするのが苦手」「一人が好き」など、そもそも組織人としての適性を感じさせない様な弱みの場合、即座に不採用となります。

または「否定をされるとカッとなりやすい」「競争が大好き」なども正直に語っているとは思いますが、組織運営上ではリスクを感じてしまいます。

競争を奨励している企業であれば良いのでしょうが、企業には様々な社員がいます。多様な人間性を持つ社員が一丸となり、目標達成に向けて走れるかどうかが組織運営においては重要なのです。

弱みについて話す前に、自分の弱みが組織で働く上で大きな欠陥とならないかどうかはチェックするべきでしょう。

2. 他の回答との一貫性を持つ ポイントの2つ目は、他の回答と一貫性を保つこと。

つまりは自己PRや頑張ってきた事などで話した内容と「弱み」が矛盾しないよう注意すべきです。例えば「部活の頑張ったエピソードにおいて、皆の意見を聞きチームをまとめ上げた」経験を話した後に、弱みとして「自分の考えを押し付けてしまうこと」と答えると完全に矛盾をした回答になります。

これは面接時においても鉄則になりますが、「一貫性」がない回答は確実に評価を悪くしますので、気を付けてください。

3. 「弱み」をオブラートに包んで伝える ポイントの3点目は、自分の弱みをオブラートに包んで伝えること。「弱み」を質問している立場に関わらず、面接官の心理として本当の「弱み」を聞くと面接官は不安に感じてしまいます。

できるのであれば、弱みについてはうまくオブラートに包んで聞かせてもらう方が受けが良いでしょう。

弱みをオブラートに包んで伝えるとは、具体的に以下の様なイメージです。

「不愛想である」→「あまり口数が多くない」 「自分の意見が言えない」→「人に話を聞いてから考えて話す」 「心配性」→「リスクを考えてしまう」 「頑固」→「マイペース」

難しい部分ではありますが、表現によって相手の心象は確実に変わります。また場合によって、それ自体は大した弱みと思われない場合があります。

仕事をする中で「心配性、考えすぎる」事はほとんど弱みと考えていません。準備を怠らない、リスクを想定できると評価をされる可能性があります。

弱みといっても組織人として運営に支障がない程度であれば、うまく表現で逃げ切る事ができます。

4. 弱みを克服・改善に向けた努力を伝える ポイントの4点目は、弱みに対して努力・解決しようと取り組むエピソードを伝えること。それによって弱みの披露が、課題認識、課題解決の力という評価に変わります。

例えば、「受け身がち」という弱みがあった場合、リーダーを務めて周囲を引っ張ろうと努力したエピソードや取り組みを伝える等。弱みの改善・解決に向けた行動を必ず添えるようにしましょう。

ではここまで、弱みを伝える際のポイントについて触れました。最後に正しい弱みの伝え方を例文と共に解説します。

面接で短所・弱みを述べる例文

『私の弱みはマイペースなことです。

大学のゼミナールにおいて2年生からゼミ長になり、ゼミの研究テーマを仕切る立場になりました。自分では問題なく、進めていると思っていたものの、教授や周りの仲間より進捗が遅いとの指摘がありました。

正直指摘を受けるまで、その指摘を受けた事がなかったため、ショックを受けました。改めて自分を振り返っていると、他にも周囲の流れに気付けていない事がしばしばありました。

そこで自分の弱み・進捗の遅れを回復する為に毎週の進捗確認会議を教授、ゼミのメンバーと行う事で問題の解決を図りました。また細目にスケジュール帳に予定を書き込み、自分の癖を克服するよう努力しています。』

この弱みを伝える例文は、エントリーシートや実際の面接で伝える際にも参考になる内容かと思います。

では、前項のポイントを含めてこの例文を徹底解説します。

1. 構成 構成としては「自分で考える弱み」⇒「その弱みで困ったエピソード」⇒「その弱みを克服するための努力内容」という流れがスムーズです。

またネガティブな話ですので、あまり詳細に、くどくならない程度にしてください。

2.ネガティブな印象を与えないようオブラートに包む まずはあまり極端な「弱み」のメッセージを発しない事です。上記例文からすると「スケジュール管理ができていない人」「だらしない」と取られる部分を敢えてオブラートに包み「マイペース」という表現を使っています。

3. 伝わりやすいエピソード エピソードを選ぶ際の注意点は、面接官が頭の中でイメージをしやすい経験かどうかです。自分の弱み故に何で困ったのかを具体的に伝えてください。この例文の場合は全体の進捗が遅れてしまったという事になります。

4. 克服・挽回 困ったエピソードを受けて、自分の弱みを理解した上で、具体的にどの様に克服・挽回を図っているかを最後に加える事で、受験者に対する評価はかなり変わります。

ある意味では弱みを使って逆転できるポイントになり、社会人になった時にも仕事上で課題の克服できる人材である事を期待させる事ができます。

5. なるべく明るく 弱みの質問をすると急にトーンが下がる受験者も多くいます。弱みの質問をしている面接官ですが、前提として正直に応えてくれるとは考えていません。通常の質問と同じく明朗に回答をしてもらう事は意外に重要な事項です。

面接における短所・弱みへの深堀パターン

次に気になるポイントが、面接における深堀の仕方でしょう。

基本的に面接官は「弱み」というトピックについて時間を使いたくはありません。しかし、場合によっては深堀をする事があります。

そこで深堀をする意図、深堀をする際の具体的な質問内容、深堀に対する準備方法の3項目をお伝えします。

1. 面接官はなぜ深堀をするのか?

① 正しく弱みとして分析をしているのか? 面接において深堀はいくつかのパターンに分かれますが、一番多いのが、回答主旨が面接官に伝わっていない場合が多いのです。簡単に言えば面接官が受験者の回答を理解できない場合です。

この場合で言えば「弱み」についての質問をしているにも関わらず、その質問主旨とされた回答をされた場合こそ、深堀をされる(=細かく聞かれる)事になるでしょう。

② 受験者の台本を崩し、自己理解の深さを問う 他の質問にも該当しますが、入念に対策をされた受験者の面接は本人の満足度と面接官の評価の間にかなりの乖離が生まれます。面接官が本人の素顔を知りたい訳で台詞を聞きたい訳ではありません。

従って、淀みなく話す受験者がいた場合にはその台本を崩すために執拗に質問を深堀する場合があります。本音で話している受験者であれば問題はありませんが、そうでない場合にはすぐにボロがでるのを面接官は知っているからです。

2. 深堀質問の具体例とは? 弱みへの回答がしっかりされた場合においても以下の様な質問は想定しています。

① 「他にはどの様な場面であなたの弱みで苦労されましたか?」

② 「友人の方々からあなたの弱みについて何か言われた事がありますか?どのような事ですか?」

③ 「他にご自分で認識されている短所・弱みは何かございますか?」

3.深堀質問に対する回答のポイント 前述の通り深堀質問は回答主旨が伝わっていない事による再確認のパターンが一番多いはずです。

従いましてまずは平易な言葉、具体的なエピソードを話す事で問題がありません。

それでも上記の様な質問がくる場合があるため、弱みについても以下の2つの準備はしてください。

① 弱みに関するエピソードは2つ以上もっておく 他の質問も含めて回答は2つ以上用意をしておく方が良いでしょう。

② 友人、親などからの自分に対する客観的な評価を聞いておく 社会に出てからは客観的評価が重要です。自分の弱みと他人の評価が異なる可能性が高いものです。まずは近しい友人からの自分の評価を聞いてください。

弱み・強みが上手く見付からない就活生へ

就活において「自己分析」は面接対策として必要な第一歩になります。その際に「弱み・強み」を見つける為に以下の3つの方法をお勧めします。

1. 自分の人生の棚卸 これは自己分析の基本ですが、小学校から現在に至るまでの自分史を作ってみてください。「部活」「受験」「アルバイト」・・・など色々なイベントがあると思います。それらをまとめて自分史にするのです。

そしてイベント毎に「何が楽しかったのか?」「何が辛かったのか?」「何を頑張ったのか?」「何を得たのか?」を併記していってください。この作業を行う事でかなり自分の特性がはっきりしてきます。

2. 他人からの評価を聞く 改めて「私をどう思う?」とは聞くことは難しいと思いますが、友達と喧嘩をしたり、両親から説教された時の事を思い出してください。「貴方には〇〇のところがある!」という様に厳しい指摘を受けた事があると思います。(=あまり思い出したくないかも知れませんが、、、) つまり、これは他人の客観的な評価なのです。

3. 無理に探す事はせずに、経験からの逆算を 何か見つけないと焦る気持ちも分かるのですが、無理に「弱み・強み」を探し、伝える事は面接で首をしめる事になりかねません。

面接における質問のポイントは素直に回答する事です。30分~40分という面接時間において完璧に準備をして台詞で通じる事はあり得ません。

面接の大前提は自分の経験、考え方を伝える事にありますので、無理に探す事はせずに「あの時は自分の〇〇で困ったな、、、」「あの時は自分の△△の行動でみんなから喜ばれたな、、、」という様に自分の経験から導き出した方がスムーズな回答にたどり着けます。

4. 強みと弱みは表裏一体 弱みが見つかるが、強いが見つからないという様に、一方だけがクローズアップされる事も少なくありません。前述致しましたが、「強み」も「弱み」も相手の感じ方で変わります。

「強み」がないならば、「弱み」の裏返しを是非考えてみてください。社会人になり仕事を始めると付き合う相手を選べません。色々な価値観、思想の持主との協働作業が求められます。

その時に自分の強みと弱みを理解できない事で失敗する社員を沢山見ています。社会では客観的評価が何よりも重要になります。

つまり客観的な「強み」と「弱み」を理解している事で行動を変える事ができるならば、自分のポジションをより強固なものにできます。

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