留年した学生は就活で不利なのか?
大学生が恐れる単語「留年」。なんと、大学生の10%-20%が留年を経験するという話もあるそうです。
就活を迎える前から、留年してしまった...。そんな人も少なからずいるはず...。留年すると就活では不利、そんな噂も絶えない中、就職活動が不安だという留年生も多いのでは。
また、就活の結果が納得いかなくて、一年留年してでも再度就活をした方がいいんじゃないかと悩んでいる人も少なくないようです。でも、留年をして次の就活うまくいくのか?も不安になってしまいますよね。
では、留年による就活への影響は、どれほどのものなのでしょうか?
その答えを得るべく、今回は大学を3度留年、現在はメガベンチャー企業で働く新卒2年目社員の苅野さんに、学生時代のお話を伺いました!
果たして、留年生の就職活動はどのようなものなのでしょうか?
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留年は意外に、就活では不利にならない?
―本日はよろしくお願いします。苅野さんは3度留年をした猛者だと伺っています。苅野さんはどのような経緯で留年をして、どのような就活をしたのでしょうか?
苅野:私の場合は、就職活動を3回しています。
4年生の時に1回目。内定を貰っていましたが、留年をしてしまい...。5年生の時は、就活はしませんでした。
休学も挟みながら6年生になり、2回目の就活。これまた内定を貰いましたが、再び留年。7年生になって、再度休学を挟みながら3度目の就活。
そこで再度内定をいただき、無事卒業をして、今も勤めている企業に入社をしています。
―なんだか、数字が多くて複雑です...。
しかし、3度留年をしながら、就活をしていた時は必ず内定を貰っていることも印象的です。
結局、留年って不利なの?というところが気になりますが...。
苅野:まず「有利・不利」かどうかはともかく、留年をしていたことで、企業の選考過程では「なぜ留年したの?」と、必ず理由について聞かれましたね。
そこできちんと「留年した理由」を答えられるかどうかが一つのポイントになるのは間違い無いでしょう。
そうすると、一般論になってしまい面白くないかもしれませんが、その留年が「真面目な留年」か「不真面目な留年」か、その理由によって大きく変わってくるんじゃないかなと思います。
ー真面目な留年、不真面目な留年、なんだか不思議なワードですね...。
苅野:例えば「留学で卒業が1年遅れた」「長期インターンに打ち込んで1年休学をした」という形で、卒業が遅れる人がいますよね。
これを「留年」と呼んでいいのかはわかりませんが、何か目的意識を持って1年間の学生生活を過ごしていれば、大きなビハインドにはならないと思います。
浪人をしてしまって1年遅れている、という人も多いので、その人たちに並んだ、というか...。
とはいえ、僕の場合は5年生の時、つまり一留の時に就活をしなかったので、6年生、二留の時の実感になってしまいますが...。
ただ、二留の就活でも、あまり不利は感じませんでした。
一方で「怠けていて単位が取れなかった」という「不真面目な留年」をしている人は、企業・面接官から見て「社会人として不安だ...」と思われるのは何となく想像がつきますよね。
三留しても、内定をもらえた理由とは?
―二留しても不利を感じなかったということは、苅野さんは真面目な留年だったのでしょうか?
苅野:不真面目な留年が2回、真面目な留年が1回ですね(笑)
4年生の時は、単純に勉強不足が理由で、6単位残して留年してしまいました。これが1度目の「不真面目な留年」です。
その時に、バイトをしていた個人経営塾の塾長に話をしたら、「それだったら、塾の運営や経営の部分も手伝ってくれ」って言われて。
そこでは塾の経営方針や教育内容を考えたり、お金の管理までも任せて貰って。
そこでの経験があまりにも楽しくて、就活をせずにもう1年間それに携わりたいと思って、休学・留年をしました。
2度目の留年は、「真面目な留年」と言えるかなと思います。
そして6年生で卒業をしようと思って、就職活動に挑み、無事内定を頂いたのですが、またも勉強不足が響いて、残った6単位のうち、4単位しか取れずに留年をしてしまいました(笑)
あの時は絶望しましたね。
―ぬぬぬ...。不真面目な留年を繰り返しながら、結局内定。やっぱり就活で留年は関係ないんですか?
苅野:うーん。ただ、最後の就活では、3度留年をしていることもあって、面接でも留年した理由についてすごく突っ込まれましたね。
「打ち込んでいたことがあった」「学習塾の経営を頑張っていた」って言っても、「そのまま塾の経営をすればよかったんじゃない?」とか「社会人として3年働いている人の方が、幅広い経験を積んでいると思うけど」と言われたこともありました。
―では、一体なぜ内定を...。
苅野:内定を取れた理由は2つかなと思います。
1つは、就職活動に慣れていたことです(笑)。3度の就活を通じて、面接には100回以上挑んだのではないでしょうか。
これは留年生に限らず言えることかと思いますが、面接をはじめとした選考は、慣れの要素がすごく大きいと思います。
僕は人よりも選考の回数を多くこなしたという自信があるのですが(笑)、初めて選考に臨んだ時のことを考えると、雲泥の差があると思います。
「緊張しない」といった初歩的なこともそうですし、だんだんと「こんな伝え方をすれば魅力的に映る」といったことまで試行錯誤ができたと思います。
ーなるほど。そもそも「選考」の経験を積むことができたと。
苅野:そしてもう一つは、留年してしまった一年間を無駄にせずに、打ち込むことを見つけられたことだと思います。
初めて留年をしてしまった時は「単位を取れなかった」という非常に不真面目な理由でしたが、その後の生活を、先ほども話した「個人塾の経営」に費やすことができました。
個人的には、そこで充実した時間を過ごすことができたと感じていますし、取り組んだことを面接で話していた時も、企業からのウケは良かったと思います。
「留年をしてしまって就活が不安だ」という人もいるかと思いますが、その後の学生生活を無駄にせずに、本気で取り組むものを見つけられれば、その活動は社会人からも評価されると感じています。
また、「評価」という観点で言うと、私は外資系やベンチャー企業を中心に選考を受けていったのですが、これらの業界は比較的「留年」に対して寛容なのかもしれません。
留年をしてしまった事実については、先ほどもお話ししたようにたくさん深掘りをされました。
しかし「個人塾の経営」を通じて、小さなものではあるけれども、事業や経営活動について経験があることや、そこで事業や経営に興味を持ったという話は、すごく興味を持っていただけました。
―なるほど。業界や企業によって違いはあるけれど、留年してしまっても、その時間の使い方によっては、それほど不利になるわけではないと言っても良いのかもしれませんね。
ありがとうございました。次は、入社後に「留年」の影響はあるのか?ということについてお伺いをしていきます。
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