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女性ならではの会社選びのポイントとは? 大手グローバル企業 採用マネージャーが語る

女性就活生の多くは、就活生の時に「女子ならではの悩み」が気になることもあるのではないでしょうか。女性は活躍できるのか?結婚・出産といったライフイベントで、自分のキャリアはどうなるのか?今回は、そんな疑問に答えるべく、ソニー株式会社で「リケジョ」として開発マネージャーや採用マネージャーを歴任されてきた、浅井さんに講演を頂きました!

採用マネージャが語る理系女性のキャリア

お集まりいただきありがとうございます。 ソニー株式会社採用部の浅井と申します。よろしくお願いいたします。

本日は皆さんにお時間をいただいて、女性のキャリアについて、そしてその中でも特に理系女性が働くということについてお話をしたいと思います。

私も現在は採用の仕事をしておりますが、電気通信大学を卒業したみなさんと同じリケジョです。2年前まではエンジニアでした。

キャリアを考えるうえで、女性ならではの悩みがたくさんありますよね。本日は、そう言った観点も含めながら、会社に入って理系女性としてどういうキャリアを積んでいくのか、そういうお話ができればと思います。

エレクトロニクスだけではない、ソニーという会社

私のキャリアについてお話する前に、まずはソニーという会社についてもお話をしたいと思います。

みなさん、ソニーと言うと、どんな商品を思い浮かべるでしょうか?

プレイステーションやウォークマン、他には、Xperia、ヘッドホン、テレビなど、家電製品のイメージが強いでしょうか。

BtoCの商品が多いイメージかもしれませんが、実はBtoBの商品にも幅広く取り組んでいます。

例えば、医療系の製品。ソニーは、カメラやモニターの技術を持っています。その技術を応用して、内視鏡のカメラや医療用モニターを作っています。

それから、なかなか目にすることが無いと思いますが、iPhoneには実はソニーのセンサーが入っています。

実は、知らず知らずのうちに、ソニーの製品を皆様に使っていただいていることも多いんですね。

また、ソニーは洗濯機や冷蔵庫といった、いわゆる「白物家電」は扱っていません。

生活必需品というよりは、これがあると生活が楽しくなるね、さらに豊かになるねと、そういうような商品をやっているのがソニーです。

これらの領域は、ソニーのエレクトロニクス領域であり、グループの一部になります。

ご存知の方も多いと思いますが、ソニー銀行・ソニー生命という金融領域や、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント、ソニー・ミュージック・エンタテインメントといったエンタメ領域まで、様々な事業を行なっているのがソニーグループです。

じゃあ、それぞれ独立しているのかというと、完全に独立しているわけではなく、例えば、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントとカメラの開発部隊の間で、映画監督のジョージ・ルーカスの要望を取り入れて、商品開発を行ったということもあります。

そういった、様々な事業領域を持つグループだからこその面白さというのもある会社だと思います。

また、今回のメインテーマである「女性のキャリア」を考えると、ソニーは女性にとっても本当に働きやすい会社だと思います。

ソニーでのキャリアや制度といった面も参考にしながら「理系女性のキャリア」についてお話をしていきたいと思います。

自分の「やりたいこと」を考えるのは、理系女性でも重要

まず皆さん気になってらっしゃると思うのは、そもそも女性って社会で活躍できるのか、男性と比較したときに、キャリアを歩んでいく上で違いがあるのか、ということではないでしょうか。

そこでまず大事だなと思うのは、これは男女関係ない部分ですが、自分は何がやりたいのか、ということを明確にすること。

私は新卒でソニーに入社して、ウォークマンなどモバイル系オーディオの品質保証部に配属になりました。

品質保証部というのは、直接ものづくりができる部署ではありません。もちろん非常に重要な仕事ではありますが、「あれ、ものづくりができる部署じゃないんだな」と。

ほかの同期がいろんな商品の設計、ものづくりを始めているのを見て、すごく羨ましかったんですね。

ただ、その時の自分を振り返ると、自分のやりたいことをきちんとイメージできてなかったと思います。

人事部と配属について話をしたときも、「品質管理にも何となく興味あるかな」みたいな受け答えをしてしまっていたので、ある意味自分で選んだ道でした。

ただ、会社に入ってみると、ものづくりの面白さを身近に感じる経験をしました。例えば、最近はもう見ないですが、ミニディスク(MD)というものがありました。それを最初に世の中に出したのはソニーなんですね。

世界初のまだ世の中に発表されていない商品が会社にあり、それが発表されて、みんなが手にとって、感動する、という一連の流れを見て、すごい会社に入ったんだなと思いました。そこで「私はやっぱりものづくりがしたい」と気づいたんです。

その後、私は希望が叶ってテレビのソフトウェアを開発する部署に異動しましたが、そこまでには少し時間がかかりました。

やりたいことが現在わかっているという人はまだ少ないかもしれませんが、自分が本当に何をやりたいかを自分自身に問いかける、情報を取りに行く、ということはぜひ今後のキャリアを考えるうえで、今から意識して欲しいなと思います。

女性が活躍できる環境なのかどうかを知る

その後、テレビのソフトウェアを作る中で、放送局やメーカーの方々と、規格を決めるための会議にソニー代表として出席しました。大体20年ほど前でしょうか。

すると他の企業の方々から、ソニーさんはすごいね、こういった場に女性社員の方が出てくるんだねと、言われました。

ソニーはその頃から、男性女性関係なく仕事をする風土がありました。でも、当時は珍しかったのかもしれません。

しかし、色々な会社の人の話を聞いていると、最近は社会全体として女性をサポートする状況はすごく改善されてきているという機運を感じています。

じゃあ、どんな会社でも女性が活躍できる環境なのかというと、すべてが同じ状況ではなく、業界や会社によって少し違いがあると思います。

だから、自分自身のキャリアをこれから描いていく上で、会社の文化、組織の雰囲気といったものは、OBOG訪問などの機会を通じて、ぜひ詳しく取りに行って欲しいなと思います。

先ほどもお話ししたように、ソニーは男女関係なく仕事ができる会社です。

女性でもリーダーやマネージャーになれるのか、という不安を持っている方も多いかと思います。

私もテレビの部署にいた時代はプロジェクトマネージャーをしていますし、今でも採用マネージャーとしてこの場に立っています。事務系、研究開発、商品設計など、部署に関わらず女性のリーダーもマネージャーもたくさんいて、そこは男女関係なく皆さん実力で選ばれていますね。

理系自体、女性が少ないので、絶対数はそこまで多くはありません。職場の雰囲気も研究室の延長みたいなイメージを持ってもらえば大丈夫かなと思います。

そういった環境を望んでいる人は、きちんと事前に知っておくとよいと思います。情報をきちんと得て、その会社どんな文化・風土なのかを知った上でキャリアを考えて欲しいなと思います。

ライフイベントに合わせた制度を知り、会社を選ぶ

また、女性ならではのライフイベントも様々ありますよね。結婚・出産というタイミングで、働き続けられるんだろうかと、あるいは子供がいると重要な仕事が任せてもらえないのではないか、という不安もあるかと思います。

ソニーではそんなことは全然なくて、もちろん本人の活躍・努力次第ではありますが、多くのママ・女性たちが活躍しています。

育児休暇の取得率も、現在は100パーセント。その後ほとんどの方が復職をしています。お子さん2人、3人いらっしゃるようなお母さんエンジニアもたくさんいます。

産休で休んで、そのあと帰ってきたときに、本当にポストって残っているのかなという不安も多く聞きますが、会社全体でサポートをする意識をしています。

また、男性の方も育児休暇をどんどん取得しています。女性だから、と言うことではなく男女問わずに働きやすい環境で、育児休暇を取るのは当然という環境ができています。

私が設計のマネージャーだったとき、部下に3人のお子さんをもった女性エンジニアがいました。お子さんのお世話があるので、少し早く帰るんですけど、どういうスケジュールを組めば彼女が早く帰れるか、周囲の社員も協力する姿勢がありました。

実際に育児休暇を1年取得すると、プロジェクト自体は進んでいますから、当然状況は変わっています。戻ってきたときにどのような形で仕事をするか、会社全体で考えていきます。

元々いたポジションにそのまま戻ってもらうこともあれば、現在のプロジェクト状況に合わせてアサインを少し変えたりだとか。

お休みを取ることに、赤ちゃんを産むことに罪悪感を感じる、という状況は絶対にあってはいけないと思うので、その辺りはかなり気をつけて設計されています。

最近話題のテレワーク(在宅ワーク・リモートワーク)で家にいながら勤務、そういうものもできる環境が整っています。

お子さんが病気のときもテレワークで連絡を取り合うなど、お互いを助け合う風土というのがあると思います。

他によく聞かれることとして、結婚して、旦那さんが海外赴任になったら、自分のキャリアを諦めなきゃいけないのか、という話があります。

ソニーでは諦める必要は全くありません。フレキシブルキャリア休職制度というものを準備しています。

会社を辞めずに、この休職制度を活用して、 配偶者の方が海外赴任や、留学に同行することができます。

いったん辞めるしかないかな、というような会社もあるかもしれませんが、ソニーでは配偶者の方に同行し、異国の地でいろんなものを学んで、さらに実力をつけて帰ってくる、そしてまた活躍してくれることを期待しています。

私がエンジニアとして長年働いてきた中でも、ソニーはこういった制度面は、かなり恵まれている会社だと感じています。

どんな制度があるのかも、会社によって異なる

ソニーの例を簡単にご紹介しましたが、こういった制度面においても、自分はどういう点を重要と考えるのか、自分で理解をした上で会社を選んで欲しいと思います。

例えば、先ほどお話をしたテレワーク。

会社によって、あるいは仕事内容によって、捉え方が全然変わってきます。

毎週必ずテレワークで遠隔で仕事をしましょう、という会社もあれば女性のサポートをすごくしている会社であっても、テレワークというやり方はせずに、出社を義務付けている所もあります。

IT系の企業で、テレワークをすごく推奨していた所でも、やっぱりみんな出社してね、その方が仕事やりやすいよね、という会社さんも出てきていますね。

職種によっても状況は違っていて、デザイナーのように、遠隔であっても確実にアウトプットが出せるような仕事であれば、テレワークでも成果を出せるよね、でも商品企画のように、たくさんの人と会って話す必要がある人はテレワークは難しいよね、という判断をしている企業もあります。

その点は良いとか悪いとかではなくて、会社や仕事のスタイルでもありますから、自分のスタイルに合う会社を選ぶことが必要です。

育休・産休といった制度についても、同様だと思います。 その会社が、どのような制度を取っているのか。自分のライフスタイル上、どのような制度があれば働きやすいのか、働きながら育児や家庭も充実させることができるのか。

そういった観点を考えておくことが、自分が本当に幸せなキャリアを歩むためには重要だと思います。そのためには、実際にリアルな情報を手にいれて、きちんと判断することが大事。

様々な観点についてざっとお話をして参りましたが、女性の皆さんが、少しでも楽しい就職活動を送れるサポートになればなと思っています。

その中で、ソニーという会社を選択肢の一つとして見てくれれば凄く嬉しいです。ものすごく面白くて、女性のキャリア設計にも恵まれた会社ですので、ぜひ一度、ソニーという会社に触れていただければと思います。本日はありがとうございました。