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【例文あり】新卒就活における志望動機の書き方!新卒はポテンシャル採用?

就活選考において「志望動機」は面接官が最も注目するポイントの1つです。まだ働いたことがない学生は、働くイメージがつかず志望動機を言語化するのが難しいと感じる方も多いと思います。しかし、面接官も中途とは違い新卒に対してすぐに即戦力となるとは考えていません。無理に即戦力アピールをせずにありのままの自分を表現することが選考突破の鍵となります。今回は、新卒就活における志望動機の書き方を例文とともに紹介していきます。

新卒はあくまでポテンシャル採用!?

面接やESなどの選考では、誰もが企業にアピールしようと必死です。必死すぎるあまり知ったかぶりをしてしまったり、無駄に話を大きくしてしまいがちです。

無論有効なこともありますが、特に「新卒で即戦力アピール」は大きな落とし穴となることが多いです。

企業側にとって、新卒を取るメリットはズバリ「若さ」にあります。

若いからこそ、吸収力もありこれからの成長に期待できます。

そういった新卒の特徴を生かし、「将来の幹部候補」として採用する企業も多いです。

一方、社会に出て働いた経験のない新卒はすぐに即戦力とはなりません。当たり前ですが、経験も知識もないため入社して数ヶ月〜1年は研修機関であり会社に多くの利益をもたらすのはかなり難しいでしょう。

企業側も新卒採用は「未来への投資」だと考えているケースが多いです。 即戦力が欲しいのであれば中途採用というのが一般的な認識です。

したがって、志望動機における「即戦力アピール」はかえって印象が悪くなってしまうことが多いです。

アピールすべきは成長意欲や仕事に対する姿勢など「将来に対する可能性」の方でしょう。

志望動機では、入社どどういった活動をしたいという点において即戦力として働きたいと言う内容は避けましょう。

面接官が志望動機で見ているポイント。

上記の通り、ポテンシャル採用を意識した入社後どう働きたいかは志望動機において大切なポイントの1つです。

志望動機は入社後のことだけでなく、「なぜこの企業を選んだのか」という根幹の部分を説明する必要がります。

このパラグラフでは、志望動機の根幹である「なぜこの企業を選んだのか」という部分で面接官が見ているポイントを解説していきます。

面接官が見ているポイントとしては、ズバリ企業の「何に」「なぜ」惹かれたかのかと言うことです。

これらを具体的に説明することによって、説得力のある志望動機になり面接官に良い印象を与えることができます。

・「何に(what)」

志望動機では企業のどの要素に惹かれたのかを説明する必要があります。

あなたに100%あった企業はなかなか存在しません。つまり、全て完璧な企業はないため、どの要素が自分に合っていると思ったのかを明確にしましょう。

ここでのポイントは、「その企業にしかない要素」をあげることです。

例えば、

自動車会社Zへの志望動機として

Aさん「御社の車を製造しているところに惹かれました」

Bさん「私は車の製造の中でも特に、車の安全性を考慮した御社の〇〇システムに惹かれました」

AさんとBさんを比べると、 Aさんの志望動機は「車の製造」と言う抽象的な内容で、他の自動車会社でも使える志望動機になっています。

一方、 Bさんは「〇〇システム」とその企業でしかない技術を上げることによってその企業ではならない理由が明確です。

このように、その企業にしかない要素を上げることによってその企業ではならない志望動機となり、面接官を納得させることができます。

・なぜ(why)

惹かれた要素を明確にしたら、次にその要素になぜ (why)惹かれたのかを明確にする必要があります。

なぜなら、同じ要素に惹かれたとしても惹かれた理由は人によって様々ですし、惹かれた理由でその人の価値観や考え方がわかるからです。

また、「面白そうだから」や「やれると思ったから」など抽象的な理由でなく自分の価値観と照らし合わせた志望動機であるとより説得力が増します。

例えば、

先ほども例に出した自動車会社Zへの志望動機として

Aさん「御社の〇〇システムは最先端のシステムで非常に面白いと思ったため、志望させていただきました。」

Bさん「私は運転事故現場を目撃した経験があり、車好きな自分にとっては非常に悲しい出来事でした。移動が便利になると言う利点がある一方、人の命を奪う危険性を孕んだ車。その危険性を少しでも減少させ、楽しいカーライフを多くの人に提供したいと思っています。御社の〇〇システムは自分の目指している楽しいカーライフを実現するために必要不可欠なシステムだと思い、志望させていただきました。」

AさんとBさんと比べると、企業に惹かれる要素 (what)は同じですが理由 (why)が全く異なります。 Aさんは単に「最先端だから面白い」というかなり抽象的な理由になっています。

一方Bさんは、「私は運転事故現場を目撃した経験があり、車好きな自分にとっては非常に悲しい出来事でした。」という過去の経験から「楽しいカーライフを多くの人に提供したい」という思いから、「実現させるための手段として御社のシステムが有効だと考えた」という理由です。

Bさんの理由の方が明らかに良い志望動機であることはわかるでしょう。

Bさんの理由には、「過去の実体験」「そこから生まれる思い」「実現したい世界」という要素が含まれています。

こう言った、自分の価値観や思いがわかる理由だと説得力が増しますし、面接官に熱意も伝わりやすいです。

以上のように、企業に惹かれた要素(what)と惹かれた理由(why)を明確にすることで面接官を納得させる志望動機になります。

志望動機の具体的な書き方

ここからは上記で説明した、面接官が見ているポイントを考慮した志望動機の具体的な書き方を解説していきます。

step1:企業の何になぜ惹かれたのか言語化しよう

上記で説明した何に(what)なぜ(why)惹かれたのかを言語化しましょう。

そこで役に立つフレームワークとしてロジックツリーというものがありあます。

<ロジックツリー>

ロジックツリーとは、図のように物事をツリー状に要素分解していく考え方です。

このフレームワークを用いることにより、今までなんとなくでしか言葉にできなかった惹かれる要素を具体的に見えてきます。

①企業の惹かれる要素(what)を見つける

まず、抽象的でもいいので企業の志望動機を書いてみましょう。

例えば、

「なんとなく企業のやっている事業がいいと思った」と言う学生は まず、企業の事業を要素分解してみましょう。

その企業の事業を分解してみると 〇〇会社の事業→事業A、事業B、事業C、、、 といったように事業ごとに分解できます。

次に、それぞれの事業で特にいいと思った点をさらに要素分解してみましょう 事業A→ターゲットに共感できるところ、プログラミングスキルが学べるところ、、、 事業B→・・・ 事業C→・・・

3段階以上書くことができると、企業の惹かれた要素が具体化されると思います。

こうすることによって、初めは「なんとなく取り組んでいる事業がいいと思いました」という志望動機が「御社の事業Aのターゲットに共感しました」と具体的になることがわかります。

②企業に惹かれる理由 (why)を言語化する

次に、それぞれ最下層の要素になぜ(why)を投げかけてみてください。

なぜターゲットに共感できるのか→why? なぜプログラミングスキルが学べると惹かれるのか→why? なぜ新しい技術を使っていると惹かれるのか→why?

こうすることによって、自分がなぜその要素に惹かれたかがだんだん見えてきます。

例えば、

なぜターゲットに共感できるのか→why? →自分が過去に経験したことと似ているから →自分の身内にも同じような境遇の人がいるから →理不尽なことが許せないから

と言ったようにその要素がいいと思った理由が言語化できます。

step2:入社後実現したい未来を明確にしよう

step1で企業のどんなところになぜ惹かれたのかが明確にできたら、あとは企業に入社後どんなことがしたいかという未来を描きましょう。

「企業に惹かれる」のはあなたが企業に何か「期待している」ことがあるからです。

その「企業に期待していること」すなわち「入社後どんな未来を描いているのか」を言語化しましょう。

例えば、

what:事業Aのターゲットに共感できるところ why:過去にターゲットと同じような経験をしたから 描く未来→事業Aのターゲットのような人たちを幸せにするために働きたい

このようにwhatとwhyが明確であれば、自ずと入社後に描く未来が明確に見えてきます。

以上のstepを踏むことによって、過去現在未来の一貫性が生まれ志望動機の説得力が増し面接官に良い印象を与えます。

例文解説

最後に志望動機の例文からこれまで解説したことを振り返ってみましょう。すでに志望動機を書いている人も、自分のものと比べてみると良いと思います。

<例文> 私は、人材と企業のマッチングによって誰もが充実して働ける社会に貢献したいと考えています。御社の〇〇サービスは、マッチング度が高く、離職率が高いことで有名です。このことから、エージェントの質が高いことが伺えます。私の父も以前、転職エージェントサービスを利用していました。転職前は家に帰ってくると仕事の愚痴ばかりでしたが、転職後は楽しそうに働くようになりました。この経験から私も、エージェントとして求職者1人1人の潜在的ニーズを引き出し、充実した働きができるマッチングを提供したいと考えています。入社後3年以内には、1人前のエージェントになれるよう先輩方の仕事の仕方を盗んでいきたいと考えています。

<例文のポイント> ・実現したい未来 →私は、人材と企業のマッチングによって誰もが充実して働ける社会に貢献したいと考えています。

・企業の惹かれた要素(what) →御社の〇〇サービスは、マッチング度が高く、離職率が高いことで有名です。このことから、エージェントの質が高いことが伺えます。

・要素に惹かれた理由(why) →私の父も以前、転職エージェントサービスを利用していました。転職前は家に帰ってくると仕事の愚痴ばかりでしたが、転職後は楽しそうに働くようになりました。この経験から私も、エージェントとして求職者1人1人の潜在的ニーズを引き出し、充実した働きができるマッチングを提供したいと考えています。

・可能性採用を考慮したアピール →入社後3年以内には、1人前のエージェントになれるよう先輩方の仕事の仕方を盗んでいきたいと考えています。

以上の例文を参考に、実際に自身の志望動機を1度文字に起こしてみましょう。 1度文字に起こしておくことによって、頭が整理されESや面接時にも対応できるようになります。

志望動機をうまく文字にできると、面接官を納得させるだけでなく自分自身の企業選びにおいても自身で納得できるようになると思います。

今回紹介した手法をぜひ活用してください。