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【例文あり】エントリーシート(ES)の「趣味」の書き方

就活においてほぼ課題として設定されているのが、エントリーシート(ES)と面接です。 ESの設問においては自己アピール的な設問が多くあります。今回はES記入の中おいて趣味・特技を使って効果的に仕上げる方法をお伝えします。

エントリーシート(ES)の「趣味」を問う背景

就活のプロセスは履歴書、成績証明書などの書類選考と併せてESの提出を求める企業が多く、それらの事前情報について面接を通じて確認していくというのが中心です。また面接などは集団、個人とありますが1時間以上かける企業はまずありません。つまり確認を行う時間については現実的にかなり制限されています。ESは言うなれば面接を前にした予備情報の提供です。履歴書で目次を提示し、ESで情報を追加するというイメージでしょうか。

企業が趣味や特技を問う背景には大きく3つの理由があります。

1. 個人の性格的な側面を知りたい 企業は人の集まりで成り立っている組織です。従ってその組織にはある程度は共通した雰囲気があります。体育会の出身者が多い企業、理系出身者が多い企業・・・当然それらの企業の持つ雰囲気は異なってきます。人事担当者は、個人の趣向、性格的な部分について趣味・特技を通じて知る事で自分の企業にマッチするかの判断材料にします。 体育会出身者ばかりの企業に「趣味は読書です」と書かれたESを読めば、当然人事担当者は「ウチに合うのかな?」と思い、「面接で確認しなければ」となるのです。

2. 面接での話題にする 面接は複数回あるのが一般的ですが、1次面接は非常に重要です。上級職が実施する二次面接、最終面接は定型的な部分が多いものですが、1次面接はお互いに初対面です。 面接官はそれなりのトレーニングを積んでおりますので、受験者の情報を一つでもおおく引き出す事に集中しています。しかし履歴書、ESに様々な趣味・特技といった情報が含まれていると面接進行上は非常に助かるのは本音です。

3.趣味・特技を通じた取り組みを知る   趣味・特技と言っても様々ではありますが、それらの取り組み、得たものについての記載があるESは個人の姿勢や考え方を窺い知る事ができます。趣味への真剣度、成果などがESにある事で本人の人間性をより深く予想できますので、面接における重要な確認ポイントになるのです。

エントリーシート(ES)の「趣味」の書き方とポイント

ESにおける趣味・特技については自分本位でなんでも書けば良い訳ではありません。ESに留まらず、履歴書でも、同様です。社会人になっても社内稟議、企画など沢山の書類作成の機会があります。文書はどんな時においても相手に主旨が伝わらないと意味がありません。

以下の5つをES記載のポイントとして挙げましたので、参考にしてみてください。

1. 会社の雰囲気にあった趣味・特技を選定する 前項で記載をしましたが、企業の人事担当者は受験者のもつ特性が自社にあっている かを重要な判断材料にしています。その為に履歴書に複数の趣味・特技を記載した場合には、受験企業の雰囲気にあったものについてESで言及する方が得策です。

2.具体的なエピソードを書く  ESにて趣味・特技について言及をする場合には、「具体的なエピソード」を書いてください。具体的なエピソードを書く事で読み手はイメージを持つ事ができます。そうする事で面接の際の質疑応答もスムーズなものになります。あまりにも単純な記載になってしまうと、確認の時間である面接の際に説明に時間が掛かってしまいますし、「本当に趣味なのかな?」と誤解を与えてしまう可能性があります。履歴書では趣味・特技の名称を書く程度で終わってしますが、ESであれば一定の文章量があるはずですので、可能な限り具体的なエピソードを心掛けてください。

3. 趣味を通じて成長や経験について言及する 趣味の記載とは言え、就活においてはそれではすみません。自分の好きな趣味を通じた成長したものや、経験したものを文章で落とし込む事で企業の人事担当者は個人の性格的な特徴を知る事ができるわけです。就活における大事な事は「桃太郎のストーリー」の提供です。 これは、小さかった桃太郎は色々な友人の力を借りて、最終的に鬼を倒したという成長のストーリーです。従いまして趣味・特技を聞いてはいるものの、その結果どの様に成長したのかを期待されている事を忘れないでください。

4. 企業への貢献度をアピール 趣味を通じた得たスキル・特技が結果的に入社後にどの様に生かせるかというもの大事なポイントです。語学や体力の様に特技になったものがあれば積極的にアピールをしていくべきでしょう。採用活動は慈善事業ではありませんので、当然の事ながら武器とよべる様な特技が沢山ある受験者に興味が沸くのが当然です。

エントリーシート(ES)の「趣味」でNGな内容

ESだけでなく、履歴書においては何でも書けば良いというものではありません。絶対に避けるべきNGの内容は大きくは下記の5つとなります。

1. ギャンブルに絡むもの テレビでも競馬は繰り返し放送されておりますし、ギャンブル的な側面だけでなく、レジャーとしても認知はされています。以前、競馬をアピールする学生がおり、あるゆる馬のレースなどを真剣にデータ化した事を一生懸命にアピールされた事があります。本人に何ら悪気がない事は知っています。しかしながら、やはり人事担当者は「ギャンブルはギャンブルである」と認識をしますので、要注意です。

2.趣味とは言えないレベルのもの 前述していますが、ES、履歴書に書かれた事は面接前の情報提供です。当然ながら面接において質問をされる可能性が高くなります。「映画」が趣味と記載をされたものの、「月1回は見ています。」というレベルの回答ですと趣味というよりは「単なる映画好きかな、、、」と思われる程度でしょう。面接官は心の中でがっかりしています。

3.ゲーム、アニメ、漫画・・・ ゲーム・アニメ・漫画はかなり市民権を得ています。同世代ではこういったものが好きな友人も沢山いる事でしょう。しかしながら、企業で働く社会人は皆年上で20歳~60歳と世代間のギャップは避けられません。残念ながらおじ様達は趣味がアニメと言われたら「こいつはオタクかな?」と考えてしまいます。悲しい事に社会には様々な価値観の相違があります。年齢による価値観の相違も避けられません。アニメーション会社、ゲーム作成会社の様な特殊な企業を受験するであれば、履歴書・ESにも積極的に使うべき内容でしょうが基本的には避けるべきでしょう。

4. 趣味欄が多すぎる、記載しない 履歴書にここぞとばかりに趣味・特技欄を埋めてくる受験生がいます。その中の一つはESに書いてきます。この場合において書類をみた人事担当者は受験者の一貫性に疑問を持ちます。現実的に趣味というレベルのものが10個以上もあるとしたら、時間が足りるはずがありません。従って、無理やり趣味・特技欄を埋めたと感じます。一方で何も記載をされない場合はそもそも、受験者に対して「アピールする気があるのかな?」とネガティブな印象を持ちます。趣味は2,3つ位で丁度よいでしょう。

5. そもそも趣味といえるのかが分からないもの あまり多くはないのですが、本人にとっては趣味と思えるものでも、相手に伝わらないものがあります。私が経験をした中では履歴書に「人間観察」というものを何度か目にしました。当然、私は面接において質問をせざるを得ませんでした。そしてあまり要領を得ない回答が返ってきたのを覚えています。「人間観察」は趣味ではなく、本人のもつ特性でしかありません。これを見た人事担当者は間違いなく「この受験者は変わってるな、、、普通こんな事は書かないだろう、、」と思います。趣味ですので、誰が何をやろうと勝手なのですが、就活の中においては一定の客観性は重要になります。

エントリーシート(ES)の「趣味」例文

この項では具体的な例文をあげてみますので参考になさってください。

1. 例文:海外旅行が趣味の場合 私は海外旅行を趣味としております。アルバイトで資金を貯めて夏休み・冬休みを使って、1ヶ月程度の海外旅行に行っています。今までアメリカ・イギリス・中国・タイ・韓国と五か国を訪れました。旅行の際は必ず一人でホームステイと決めていましたので、特技であった英語力の向上だけでなく、現地の習慣についても学ぶ事ができました。何よりも1か月間生活をする事で身に付いた行動力とストレス耐性には自信があります。

1.例文解説 海外旅行という分かりやすい趣味をテーマについては人事担当者として読みやすいものです。その中で「一人で行動をした事」・「語学が身に付いている事」・「行動力、ストレス耐性」などそこでえた特技・スキルに言及をしています。 この文章の一番の特徴は読み手がイメージをしやすい事です。前述していますが、」イメージがしやすい文章であれば、「どの国が良かったですか?」「何が一番辛かったですか?」などと質問についてもスムーズに行う事ができるのです。

2.スポーツが趣味の場合 私は大学時代より趣味としてゴルフを始めました。高校までサッカーを続けており、大学でもフットサルサークルに所属をしていますが、親といったゴルフ練習場の経験から興味を持つようになり、コースにもでる様になりました。現在は有志のゴルフサークルに所属をして、社会人の方とも月1回コースを回っています。このゴルフを通じて社会人とのつながりも出来ました。大学では会えない世代の方と共有の趣味を持つ事でマナーや社会の話を聞く事もできた事は重要な経験だったと思っています。大学卒業までには100を切りたいと考えています。

3.例文解説 サッカーや野球でも構いませんが、それが部活動は趣味という範囲には収まらない気がします。その上で別のスポーツをやっている事を想定した例文ですが、最初のポイントはイメージのしやすさです。この場合は社会人との関係を築けている事が評価されるポイントになります。社会人の様に幅広い世代と付き合っていける能力は重要の要素です。そして社会に出た時に最初に悩むポイントでもあります。

まとめ

最後になりますが、もう一度繰り返します。「履歴書・ES」は面接前の情報提供です。この事前の情報提供の具合で面接の進行は全く違ったものになります。逆にいえば「こんな趣味の事、あんな特技の事を聞いて欲しいな、、、」と思えばその様に誘導する事が可能なのです。