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就活の面接官に聞かれる面白い質問、その意図や背景とは?

企業の採用面接では回答に困るような面白くて変わった質問が飛んでくることがあります。ただでさえ緊張している面接で想定外の質問にどう対応したらよいでしょうか?今回のコラムではそんな質問をしてくる企業側の意図と学生側の対処法をお伝えします。

就活の面接で面白い・変わった質問をする意図とは?

面接官が突拍子もない質問をするのは、意地悪をしている訳ではなく、質問の裏には、履歴書では分からない学生の内面の情報を知りたいという、以下のような意図があります。

対応力などを見極めている 学生の対応力、瞬発力、柔軟性などを見たいために、面白い質問をしてくるケースが最も多いと考えられます。 ビジネスでは予期しないことがいろいろ起こり得るので、そういう場合にどのように対応できるか企業側は確認したいのです。そのため、事前に学生が準備できないような突飛な質問をすることで、想定外のことが起きても冷静に、かつ臨機応変に対処できるかを見ています。

個性が知りたい 現代はインターネットや書籍などから、企業の採用面接で予想される質問や回答例などの情報を容易く知ることができます。就活には便利な世の中ですが、企業側としては、それらの情報源に記載されているような定番のよくある質問だけをしていては、学生の内面や個性まではなかなか知ることができません。そこで書籍などにまだ載っていないような変わった質問をぶつけることで、学生の反応からどんな個性がある人物なのかを捉えようとしています。

ロジカルシンキングができるか ロジカルシンキング、すなわち、一貫性のある考え方や論理的な説明力があるかを見ています。正解などありえない変わった質問に対して、どの程度論理的に考えて、なぜそう考えるのかということころまで言語化できるかを確認しています。

緊張している学生を見て場を和ませている すべての質問に意図があるわけではなく、学生があまりに緊張しているので先に進めにくい場合に、一旦リラックスしてもらおうと思って、学生の笑いを引き出そうとしている場合もあります。この場合の回答については、あまり神経質にならなくて良いでしょう。むしろ、回答の内容よりも面接官に笑顔を見せることの方が大切です。

具体的に「面接で面白い質問」ってどんなのがあるの?

実際に学生が面接で受けた面白い質問15例を紹介します。

  1. 新しい記念日を作るとしたら、どんな記念日が良いと思いますか?
  2. 当社にとってあなたが入社すると、どんなメリットがありますか?
  3. 部下がある日金髪で出社してきたら、上司としてどう対応しますか?
  4. 1億円稼ぐにはどんな方法があるでしょうか? 5. 自分の人生について書いた本を出版するとしたら、どんなタイトルにしますか?
  5. 自分自身にふさわしいキャッチコピーをつけてください。
  6. カレーの具材で言うと、あなたは何になると思いますか? 8. 自分を「嵐」のメンバーに例えると、誰になりますか?理由も教えてください。
  7. 待合室に絵が飾ってありますが、どんな絵だったか説明してください。
  8. どんな人が嫌いですか?周りにそういう人はいますか?
  9. 不登校の生徒を登校させるためにどのように説得しますか
  10. 電車で病人とお年寄りのどちらに席をゆずりますか??
  11. 話し方にちょっと癖があるようですが、方言ですか?
  12. 幽霊は存在すると思いますか?
  13. 友人が試験でカンニングをしているのを気づいたらあなたはどうしますか?

面接で面白い質問をされた時の対処法とは?

面接官の面白い質問に即座に答えられる学生はどれほどいるでしょうか?できればそんな場面でも面接官の印象に残るような回答をしたいものです。ここではいくつかのポイントをお教えします。

1.まずは落ち着いて笑顔で対応

面接で変わった質問をされると誰でも焦ってしまうものです。質問の内容が面白いのですから、本来は笑顔が出てもいいはずですが、緊張している学生にとっては、そんな余裕はありません。頭が真っ白になって、どう回答したら良いものか...と考え込んでしまい、不安な表情を隠せません。そんなときには、まず慌てないことです。 その上で答えが思い浮かばなければ、「少しお時間をいただけますでしょうか?」とひとこと断りを入れて、考える時間をもらいましょう。この場を何とかやり過ごそうと苦し紛れに適当に回答するよりも印象は良いはず。一番NGな対応は、何も言わずにうつむいて黙ってしまうことです。

企業の採用担当者に聞いても、「すぐに回答できなければ、断りを入れてもらえれば大丈夫です。それで評価が下がることはまずありません。むしろ黙り込んでいるように見えると悪評価になります。」というコメントが返ってきました。

2.正直に答えるのが良い

予測できないような質問には、正解なんてありません。「こんな風に答えたらどう思われるだろうか...」などと思い、自分を偽って体裁よく答えても、そのことについてさらに質問が飛んできたとき、最初以上に答えを出すのがきつくなってくるでしょう。 内容によってはあまりに正直に答え過ぎるとマイナスになる場合もありますが、できるかぎり素直に答えることを心がけましょう。

3.結論から言い切り、考えに対する根拠にも触れる

変わった質問に限ったことではないですが、質問にはまず結論から答えて、それについてブレない説明を加えることが必要です。自分の考えを論理的に説明できるかどうかがポイントになります。とはいえ、想定外の質問に対しては完璧を目指さなくても構いません。できる範囲で回答しましょう。

4.普段から自己分析をしておく

面接に備えて普段から色んな視点で物事を考えることも大切ですが、就活では自己分析して自分の長所・短所を把握しておくことがとても重要です。自己分析で自分では気づいていなかった長所が分かるので、面接での突飛な質問に対する答えの幅も広がり、臨機応変に対処できる力がつきます。

5.企業情報を十分に調べておく

志望企業の理念はもちろん、どんな人材を求めているかを事前に調べておくことで、好印象を与える回答ができるでしょう。 面接の変わった質問の中には、学生がどのくらい業界や企業について理解できているのかを試すような質問もあります。そんな時に、企業や業界についてしっかり調べてあれば、根拠もきっちりと示すことができるはずです。

6.「わかりません」と素直に意思を伝える勇気も必要

どう頑張って考えても答えが思い浮かばないような企業側の意図がわかりにくい質問には、正直に答えられないという意思を伝えましょう。面接官にしても、回答しにくい質問であることは十分分かっているはずです。「わかりません」と勇気を持って伝えることも立派な意思表示です。それが原因で不採用になることはないので、安心してください。その分は、次の質問で挽回すればよいことです。答えられなかったことを引きずらずに切り替えましょう。

就活の面接では変わった質問というのは数限りなくありますので、回答を用意しておくことはまず無理です。面接官からこの種類の質問が飛んできたら、慌てずに自分の考えを素直に伝えて、さらっと乗り切ってください。

面接で面白い質問をされたエピソード

ここでは、就活を終えた学生から聞いた面接で面白い質問をされたときのエピソードを紹介します。

「自分を○○に例えると、何だと思いますか?」という「例える」系の質問は意外に多いようです。○○は動物、色、花などが一般的ですが、ある企業のグループ面接では、〇〇は「ドラえもんの登場人物」でした。 まず、ここで大切なことは、ドラえもんの登場人物のキャラクターについて最低限知っていることが必要です。知っていたとしても、グループの中で順番が最後になると、主要な登場人物が出尽くしてしまいます。

そこで困ったAさんは、頭の中が真っ白になって、うっかり「キテレツ大百科」のキャラクターについて答えてしまったそうですが、それが面接官にも他の学生にもウケて結果的には場が盛り上がったそうです。

面白い質問に対する答えに正解はないと思います。たとえ、答えたいドラえもんの登場人物が他の人とかぶっても、前に答えた人と違う角度からキャラクターを捉えて自分と結びつけることが必要かもしれませんね。最初で答える人も咄嗟で大変ですが、順番が最後なら少し時間があるので、考えをまとめられるのではないでしょうか。

筆者は商社、銀行、広告代理店、教育関係など、さまざまな業界の面接を経験してきました。幸い、就活を通して面接官から面白い質問をされたことはありませんでしたが、広告代理店の社長面接は、これまで受けてきた商社や銀行など、お堅いイメージのある業界と全く異なり、社長面接といえども、かなりラフな雰囲気で驚きました。 質問も「~じゃないの?」「~すればいいと思わない?」というような口調で話しかけられ面喰ってしまいました。内容も「なぜ志望したのか」「本当にやる気があるのか」を探るために、いじわるとも思えるような質問でしたが、自分自身の考えをしっかりと伝えられたので採用されました。

その際に感じたことは、広告業界での面接で平凡な回答はNGになりやすいことです。志望動機や自分の考え方においても、他の学生とはちょっと違う個性、いわば尖った部分を出すと功を奏することができると思います。