なぜ面接で「他社の選考状況」は聞かれるのか?面接官の意図
まず企業が「他社の選考状況」を面接で問う理由を解説します。「他社の選考状況」を聞く理由には2つあります。では、この2つを順番に解説します。
他社の選考状況が聞かれる理由① 自社の志望順位を確認し、内定出し/選考通過の判断を行う 企業側の理由1つ目は、自社に対する志望順位を図るため。つまり「自社の志望順位が大体何位程度か」を掴むために、この質問を聞くのです。
その背後には、企業側、採用担当の「極力自社に対する志望度が高い学生に内定を出したい」という意図があります。採用担当は、採用活動を迎えるにあたり、「結果として翌年の四月に〇人入社させるために、〇人に内定を出す」という採用目標を抱えています。
しかし、自社への志望度が低い学生に内定を出すと、途中でその学生が内定辞退を行い、結果として採用計画が狂うリスクがある。
「他社の選考状況」を聞く理由は、このリスクを回避するため。例えば、他社の選考状況を聞かれた就活生が、自社と異業種のトップ企業を答えた場合。
面接官は「自社やこの業界に対する志望度がそもそも低いのでは?」「内定を出しても、他の企業から内定を取ったら辞退されるな...」とネガティブな評価を行うのです。
他社の選考状況が聞かれる理由② 就職活動の一貫性を知り、志望度を測る
次の理由として、就活生が軸に基づき、一貫性のある就職活動をしているかを確認する狙いです。先ほどと同様、企業は「自社に入社する可能性の高さ」を図るために、他社の選考状況を質問します。
例えば、あなたがある電機メーカーの採用担当として、就活生AとB、2人の面接を行っています。
そこであなたが「他社の選考状況」を質問したとします。すると以下の回答が返ってきました。
就活生A:「選考状況としては、コンサル業界のA社、B社、金融業界のC銀行、D銀行、電機メーカー業界のE社とF社の選考に進んでいます」
就活生B:「私は、モノづくりを通じ、日本社会に貢献したいという想いから、電機メーカーを中心に受けており、御社の他にA社、B社、C社の選考を受けています」
この場合、あなたは、AとBどちらを採用しますか?AとB、どちらの方が自社に入社する可能性が高いでしょうか?これは極端な例ですが、自社への志望度が高いと判断できるのは、後者のBでしょう。
つまり「他社の選考状況」を質問し、企業は就職活動の一貫性を図ることで「就活生の自社に対する志望度の高さ」「入社する確率の高低」を掴みたいのです。
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面接における「他社の選考状況」の回答ポイント
ここまでは、他社の選考状況を聞く企業の理由を確認しました。では、ここから「他社の選考状況」を回答する際のポイントについて解説します。
「他社の選考状況」回答のポイント① 正直に答えない
1点目は、正直に受けている業界・企業を答えないこと。先ほど、企業側は「他社の選考状況」を聞く理由として、「一貫性を図る」狙いがあると伝えました。
しかし、就活生の方にとっては「滑り止め」として、幅広い業界を受ける方も多いでしょう。その場合は、正直に回答せず、受けている企業と同じ業界の企業を答えて下さい。
目安としては、御社と同業界の企業4社程度の選考状況を回答するべきです。
「他社の選考状況」回答のポイント② 就職活動の軸について言及する 2点目は、どういう基準で業界・企業を選ぶかを言及すること。御社と同業界の企業を回答の前提とした上で、業界を選んだ理由を述べます。
例えば、「若い年次から経営の知見を学びたいと思い、私はコンサル業界を中心に見ています。その中で、選考に進んでいる他社さんの名前を上げると~」など。
この軸を付け加えることで、業界・企業に対する一貫性をアピールしましょう。
「他社の選考状況」回答のポイント③ 「○○社に落ちました」などネガティブな情報は不要 3点目は、選考状況の質問に関してネガティブな情報は伝えないこと。このネガティブな情報は、「同業界のA社に落ちた」などの発言が該当します。
理由は、面接官に採用上の懸念を抱かせないためです。「同業界の企業選考で落ちた」と伝えると、「業界に対する志望動機が弱いのでは?」「能力値が足りていないのでは?」といった疑念を持たせかねません。
例えば、あなたがある企業A社の選考に落ちても、「A社は選考の結果待ちです」といった表現にとどめましょう。
「他社の選考状況」回答のポイント④ 面接の時期に合わせて答えを工夫する 4点目のポイントは、面接の時期に合わせて回答方法を工夫すること。例えば、就活が落ち着いた7月以降の場合、「他社からの内定はありますか?」と質問されたとします。
そこで「内定はありません」と正直に答えた場合、面接官に「この時期に内定がないならば、この就活生には大きな欠点がある」と判断されかねません。
7月以降の時期に「内定がない」といった状況でも、脚色として「内定はありませんが、次に〇社と〇社の最終面接選考が残っています」と答えること。
いかに自分に対して、ネガティブな印象を持たれないか、この視点から時期に応じて回答をするべきです。
「他社の選考状況」回答のポイント⑤ 御社に魅力を感じるポイントを準備する 「他社の選考状況」を回答する5つ目のポイントは、御社の魅力に感じるポイントを準備すること。
他社の選考状況を聞く際、面接官には「この学生は自社への志望度が高いか?」という不安を感じています。そのため、「他社の選考状況」について一通り話した後、面接官から「その受けている企業の中でも、なぜ自社に入社したいのですか?」という質問がされることも。
この深堀に対して、「他社も受けているが、○○という点から御社が第一志望です」と、他社との差別化を踏まえて、回答できると大きなアピールになります。
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面接における「他社の選考状況」の回答例文
では最後に面接の場面を想定し、「他社の選考状況」例文をお伝えします。
想定質問 ・「他社の選考状況を教えて下さい」 想定場面 ・大手都市銀行の人事部面接
回答例文 「私は、企業の発展を資金面から支えたいという想いから、銀行業界を中心に見ています。その上で選考状況を申し上げると、A行では2次面接、B行では3次面接を翌週に控えています。またC行、D行の選考にも進んでいますが、両行とも1次面接の結果待ちという状況です。」
「面接で聞かれる質問をもっと知りたい。」「面接前にどんな対策をすればよい?」と悩む就活生のみなさん。
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