広告業界、徹底分析。注目すべきは?
就活生から高い人気を誇る広告業界。中でも電通・博報堂・ADKといった大手広告代理店は「就職人気ランキング」においても、常に上位にランクインしています。
今回はそんな広告業界の動向や大手3社の紹介、そして激変する業界を捉える3つのポイントまで、就活に必須の知識をご紹介します。
さらに!広告業界を志望する皆さんにオススメの関連記事も紹介しています。ぜひ最後まで読んで、内定獲得に役立て下さい。
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そもそも「広告代理店」ってどんな会社?
まずは広告業界の基本から。広告業界でも最も人気が高い「広告代理店」のビジネスモデルについて、知っておきましょう。
就活を始めたばかりの方は、「広告代理」と言われても、どんな仕事内容へのイメージがつきづらい方も多いでしょう。
では、広告代理店は具体的にどんな仕事をしているのか。広告代理店は、クライアントに変わり、広告の戦略立案と広告制作の2つを行なっています。では、戦略立案と広告制作が具体的にどんな仕事なのか、こちらを解説します。
ではわかりやすいように、広告代理店が「女性向け美容グッズ」を担当することになった、そんなケースを例として、広告代理店の仕事をお伝えします。
ある企業Aが、「女性向け美容グッズ」を新たに開発しました。すると、企業Aは、その美容グッズをたくさん売っていく中で「広告」を活用することで、まずは世の女性たちに、グッズのことを知ってほしいと考えます。
ここで登場するのが、広告の専門家である広告代理店。女性向け美容グッズをユーザーに知ってもらうために、どんなメディアで、どんな広告を出すことが最適かを考えます。
例えば、テレビで人気の女性芸能人を活用したCMを配信することで、多くの人に知ってもらおう。あるいは、若い女性がよく使うスマートフォンアプリに広告を表示させることで、商品を知ってもらおう。
このように広告の方向性が決定すると、次に取り掛かるのは「制作」です。例えばCMであれば、企画や制作、テレビ局とのCM枠の交渉までを、企業Aの代わりに行います。
そうして実際に広告を作り、配信し、消費者に商品が伝わる全ての過程を、広告代理店が担当します。
広告は「企画」「制作」といった仕事から、「アイデアで勝負するクリエイティブな職業」というイメージが強いでしょう。
では、広告代理店のビジネスモデルの概要を知ったところで、次は広告業界の主要企業を解説します。
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大手広告代理店3社の違いは何?あなたは答えられますか?
広告業界といえば、3大広告代理店、電通・博報堂・ADK入社を希望する人も多いのではないでしょうか?でも、これら3社にどんな違いがあるのかを知っていますか?
まずは3社の概要を知るために、各社の売上高を比較したグラフを確認します!
各社の決算資料によると、電通が圧倒的な売上を叩き出していることがわかります。
2大代理店として知られる博報堂との差はまだこれだけ広く、その博報堂とADKの間にも倍以上の差があるのが現状です。では、この差が生まれている理由は何でしょうか?。
各社の強みや特徴を知り、各企業の志望動機を作る際のヒントを見つけましょう。
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電通
1901年の創業以来、日本の広告業界を牽引し続けてきた、言わずと知れたNO.1企業です。
電通は新聞広告に始まり、時代の変化に合わせてラジオ・テレビ広告での地位を盤石に築き現在に至ります。
電通の一番の強みは、近年注力を強めているグローバル展開です。
電通はイギリスの広告企業であるイージス社の買収を皮切りに、海外展開を拡大しました。豊富な資金を武器に、中国、カナダ、フランスなどにおいても広告関連企業を買収し、各国での広告活動を展開するに至りました。
現在電通は、グローバル社員60,000人のうち約70%が海外事業に関わる社員。売上総利益の59%を海外で稼ぎ出しています。
同じく有名広告代理店である博報堂の海外売上総利益比率は12.5%に過ぎない事実からも、電通が海外の広告市場に力を入れているとわかります。
実は、国内広告市場におけるシェアは、電通が24%、博報堂が21 %。国内で圧倒的な成果を誇るこの2社ですが、国内シェアに大きな差はありません。しかし合計の売上に大きな差があるのは、国外市場における売上の差が要因です。
博報堂
電通に並び、日本の2大広告代理店として知られる博報堂の創業は1895年と、実は電通よりも古い歴史を持っています。
出版広告を中心に規模を拡大し、テレビ広告にも参戦して現在の地位に至ります。
博報堂の強みは、デジタル領域とクリエイティブ。
後述しますが、現在広告業界ではインターネット広告の市場が勢いよく成長しており、シェアの奪い合いとなります。
博報堂はデジタル領域での売上において、サイバーエージェントに次ぐ業界第2位の成績。電通にも約2倍の差をつけており、今後注目されるインターネット広告の領域においては、一歩リードしています。
また、「クリエイティブ領域」への圧倒的強みを持つことも、博報堂の特徴です。
2017年には、広告領域における世界最大規模の祭典である、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・ フェスティバル2017にて16の賞を獲得、また日本国内最大の祭典であるACC TOKYO CREATIVITY AWARDSではグランプリ3賞を含む33の賞の獲得など、クリエイティブ領域において高い実績を誇っています。
また近年では、デザイン・クリエイティブ専門のエージェンシーであり、Apple初期のマウスの開発や、P&Gといった会社と商品設計を行うことでも有名なIDEO社の一部事業を買収するなど、この領域にさらに磨きをかけます。
アサツーディ・ケー(ADK)
大手代理店の一角として名を連ねるADKは、1999年に旭通信社と第一企画が合併して誕生しました。この時世界最大の広告代理店グループのWPPも資本参加します。
ADKと言えば、投資ファンドであるベインキャピタルの買収を受け、傘下に入ったことは、業界を震撼させました。
投資ファンドのビジネスモデルの一つは、ある企業を買収し、その企業の経営に参画。企業の売上・利益を成長させ企業価値を向上させた後、その企業を売却することで、値上がり分の利益を得るというものです。
「買収」というと、良くないイメージを持つ方もいるでしょう。これからベインキャピタルという投資・経営のプロフェッショナルが経営改善活動に注力することを考えると、逆にADKには今後の成長が期待できます。
そんなADKの特徴の1つは、やはり「IP(版権)」に強みを持つこと。ADKは、多くの国民的キャラクターの版権(≒著作権)を持っているのです。
例えば「ドラえもん」。皆さんも、コンビニやスーパーなどで、ドラえもんとのコラボ商品を目にするでしょう。
この「ドラえもん」の版権をADKが持っています。企業が、ドラえもんを活用した広告を配信したいと考えると、電通や博報堂と話をしても、それを実現できません。つまりドラえもんを活用したマーケティング戦略を企業が行いたい場合、ADKと提携をする必要があります。
他にも「クレヨンしんちゃん」や「ワンピース」など様々な人気アニメのライセンスビジネスを行なっており、そういったコンテンツから広告制作を受注する、という強力な強みがあります。
ADKは自社コンテンツの制作にも力を入れるなど、さらにこの強みを伸ばすという傾向があります。
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広告業界では、インターネット広告に注目が集まる
さて、有名広告代理店3社の概要を知ったところで、一度広告業界全体のことを考えましょう。
株式会社電通が発行している「2017年 日本の広告費」によると、2017年度の総広告費(企業が広告の制作や配信などに費やした費用の合計)は6兆3,907億円です。
数字が大きすぎてピンとこない、という方も多いでしょう。
ここで重要なのは「媒体別」に見た時の、広告費用の変遷です。
上記は、国内の媒体別広告費を表しています。もっとも大きな特徴は、「インターネット」の分野が急成長していること。
インターネット広告の市場規模は2010年と比べて約二倍に成長しており、2019年から2020年には、テレビ広告に追いつくと言われています。
あなたが広告業界における経営者だとしたら、どう考えるでしょうか?
インターネット広告に強みを持ち、シェアを獲得できれば、その売上規模が拡大することが見込まれます。
そのため、各社がこぞってインターネット広告の領域に参入、しのぎを削っている。この状況が今の広告業界の現状なのですね。
ここで出てくるのが、サイバーエージェントやオプトなど、インターネット広告を専門に取り扱う広告代理店です。
ここで気になるポイントは、2つ。1点目は、インターネット広告の分野でシェアを握る企業。2点目は、大手広告代理店とインターネット広告代理店の違いです。
それを表したのが、以下のグラフになります。
大手広告代理店として知られる電通・博報堂も、デジタルの領域では活躍しています。
しかし、インターネット広告においてはサイバーエージェントが大幅な成長を見せており、電通・博報堂は後塵を拝す形になっています。
2020年にテレビ広告を追い越すと言われるインターネット広告。それにより大手広告代理店は、今後ピンチに陥るのでしょうか。
しかし、答えはそうとも限りません。
なぜなら、今後はインターネット広告とテレビや新聞などのマスメディアをかけ合わせた広告スタイルが重要となります。
テレビでも広告を出しながら、同時にインターネットでも配信をしていきたい、そんな場合は、マスメディアに競争優位性がある大手広告代理店が圧倒的に有利です。
また、大手各社は潤沢な資金を活かした、ネット広告に専門性のある企業の買収を進めています。専門性を1から育てるのではなく、すでに高い専門性をもつ企業を取り込むことで、競争力を高める狙いです。
電通、博報堂の動きを整理していきます。
電通は、日本のデジタル領域大手、サイバー・コミュニケーションズを買収した他、海外企業の買収においても特にデジタル領域の企業買収に注力しています。
また博報堂はデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)を子会社化するなど、インターネット広告の知見を自社に取り入れています。
この2社の動きから見ると、大手広告代理店にとって「企業買収」が大きなキーワードとわかりますよね。
ここまで、大手広告代理店3社の企業分析や、急成長するインターネット広告の伸びについて、解説しました。これまでマスメディアで圧倒的に優位であった各社のインターネット領域の変化に対する動きが理解できたでしょう。
最後に、激変する広告業界の今後をさらに深く知るために、業界で起きている変化のポイントをまとめます。
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激変する広告業界の今後は?
これまでお話ししてきたように、広告業界はインターネットの発展やグローバル化などで、大きく変化し、その勢力図にも変化が見られます。
それでは、今後の広告業界は、どんな風に変化をするのか?そんな広告業界の動向を理解するポイントを3つご紹介します。
就活生の皆さんの中には、「広告業界に興味があるけど、何を知るべきかわからない」方もいるのでは。
業界の現状・今後を把握した上で、皆さんの志望先の企業がどんな戦略を立てているか、今後の業界展望の理解に役立ててくださいね。
①全ての広告媒体に、インターネットが関わってくる
ポイントの1つ目は、あらゆる広告媒体にネットが関わることです。例えば、ラジオ、テレビ、新聞などの広告媒体とインターネットの境界線がなくなるのです。
例えば、皆さんはRadiko(ラジコ)というサービスをご存知ですか?インターネットで無料でラジオが聞けるサービスです。それではRadikoとは、ラジオなのでしょうか。それともインターネットなのでしょうか。
企業が今まで通り「ラジオで広告を出したい」と考えていては、Radikoという媒体での広告出稿はしないでしょう。一方で「インターネットで広告を出したいな」と思っても、ネット×ラジオの強みを理解して居なければ、効率的な広告活動はできません。
このように、「インターネット×既存の媒体」の特性を活かした広告戦略の立案が必要になる時代になっています。
他にも、YoutubeやAbemaTVでの広告を見かけたでしょう。
いわば「テレビ×インターネット」です。しかし、その媒体に広告を出すときは、媒体ごとに適切な広告手法があります。例えば、Youtubeでは「動画」といった媒体がもっとも適切ですよね。
このようにインターネットと既存メディアをかけ合わせたサービスの広告がいくつも存在し、もはや「ネット対テレビ」という構図ではありません。すべてのメディアで、今後ネットがどう関わるかを考える必要があります。
②コンサルティングファームの広告業界への参入
ポイントの2つ目は、業界への新たなプレイヤーの参入です。
ネット広告の雄、サイバーエージェントの売上は、3大広告代理店の一角、ADKを上回りました。ですが大手広告代理店を脅かしているのはネット広告代理店だけではありません。
近年、欧米の広告業界ではアクセンチュアやIBMといったコンサルティングファームが広告業界に進出し、既存の企業の競合となっています。
彼らは、持ち前の力が広告領域に活かせると考えています。
顧客の経営戦略を考えてきた知見から、顧客の広告戦略を考える。あるいは、数値データを分析し改善する知見は、特にデジタル広告の領域での効果改善で、大きな強みとなります。
そうした部分を活かし、広告領域で活躍するコンサルティングファーム。今後の動向から、目が離せません。
③通信規格「5G」の発展
最後のポイントは、ずばり5Gの到来です。大手広告代理店はもちろんのこと、業界全体が5G到来後の広告のあり方について戦略を立てており、就活生の皆さんの必須知識となるキーワードです。
そもそも皆さんは5Gという言葉を聞いたことがありますか?
2020年のオリンピックに向けて開発が進むこの技術。簡単に言うと「インターネット回線でより多くの情報量を届く」、その上で「あらゆる場所で、あらゆるモノがインターネットに接続する」という世界を実現する、通信規格のことです。
5Gの導入によって、通信速度が今までの10倍になると言われています。それによりもたらされる変化は2つです。
1点目は、例えばスマートフォンで動画を見るとき。これまでの10倍の情報量を持つ動画を見れます。
それにより、4K並みの高解像度の動画を見れる。あるいは、バーチャルリアリティ(VR)を多分に活用した動画も、見れます。
2点目は、あらゆるものが、インターネットに接続できます。
例えば、街中で見かける看板。今はまだ大きな写真などが貼り付いている看板が多いでしょう。テレビのように動画が流れる、デジタルサイネージはよく見るでしょう。
今後、全ての看板がデジタルサイネージになるでしょう。そして、そこでは4K並みの動画が流れていたり、バーチャルリアリティとして表現された映像が流れたり。
SF映画で見たような光景が広がる未来も、そう遠くはないのかもしれません。
すると、広告業界にとっては、表現の幅が非常に大きく広がることになります。街中のあらゆる場所でVRの広告を流せるようになったら。企業が商品を消費者に知ってもらうために、VRでどんな広告を作るでしょうか?
5Gの導入によって、そういった領域で、技術や表現の競争が起きるでしょう。
社会技術の進歩によって、広告業界も発展していく。非常に面白いトピックです。
これまで3つのトピックを取り上げてきました。説明会やOB訪問で、こういったテーマで質問をしていくのも面白いでしょう。「5Gが導入される未来のために、どんな戦略を描いていますか?」、そんな質問から、企業の将来も見えてくるでしょう。
*広告代理店の今後をもっと知りたい方はこちら
広告業界への理解をより深めるために
ここまで、広告業界の基本から、今後の業界の変化までをご説明してきました。いかがだったでしょうか?
ただ「広告代理店に入社するとどんな仕事をするんだろう」「志望動機を明確にするために、より詳しい話が聞きたい」などと思った方も多いでしょう。しかし超人気の広告業界、そう簡単にOB・OGの話も聞けませんよね...。
そこで、エンカレッジでは、広告代理店の現役社員にインタビューを実施しました!
下記の関連記事で、広告業界で働く社会人の方に実際の仕事や今後の業界動向、求められる人材など、皆さんが気になるトピックについてインタビューした記事を掲載しています。
ぜひそちらの記事も参考にしていただき、これからの就職活動に役立ててもらえれば幸いです。
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現役社員に聞いた、広告代理店の業務内容についてのインタビュー記事は以下から
広告代理店の仕事内容を徹底分析!現役社員に、仕事内容を聞いてみた
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