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元エンジニアの採用担当に聞く、採用のポイントとプログラミングへの向き合い方

前回に引き続き、株式会社アドウェイズの稲垣学さんにインタビュー。前回は、エンジニア、営業、採用という様々な職種を経験されてきた稲垣さんから「プログラミングが全ての社会人に必要になるって本当なの?」「大学生のうちからプログラミングをやるべき?」という観点でお話を伺いました。今回は「人事」「採用」の観点から、大学生に求める思考やスキルについて、お話をいただきました!

キャリアを決める際は「納得いく意思決定」をせよ

ー前回は「プログラミング」についてお話をいただきました。今回は少し視点を広げて、「キャリア」という観点を「人事」「採用」の目線からお話をいただければと思います。

稲垣:就活の際に重要なのは「納得いく意思決定をすること」だと、私個人としては考えています。

就活というタイミングで、自らのキャリアについて考え、悩んでいる方は多いと思います。

未来のことを考えると、数年後の短期的な未来は辛うじて予想できたとしても、5年先や10年先の未来は誰も予想できません。

そういった観点から、就活の時には、インフルエンサーやニュースの情報を鵜呑みにせず、自分で情報をしっかり収集、分析することで、「自分なりに納得した決断をする」ことが重要だと考えています。

近年では「ブラック企業」のようなテーマが問題になっていることもあり、「キャリア選びに失敗したくない」と考える就活生はすごく多いです。

それは仕方ないことだとしても、変化の激しい今の世の中、「自らのキャリア選びが成功するか、失敗するか」を事前に判断することは非常に難しい。

そんな環境では、なぜ自分はその会社を選ぶのか、また自分は十分な情報を集め、きちんと考え抜いたのか、そして、その決断に対して100%自分で責任を持てるか、が重要です。

稲垣さんが採用でチェックする、3つのポイント

ー話は少し変わりますが、稲垣さんが「人事」「採用」という視点で、重要視している学生のスキルや考え方などはありますか?

稲垣:大きく3つあって、まず1つ目は、主体性です。

主体性と言っても、「言われなくてもやる」という単純な主体性ではなく、より高い成果を出すために、自ら考えて、最適な仕事をするといった力です。

例えば、1つの目標を目指す際、その目的を達成するためにどんなアプローチを取れば良いか自分で考える。自分が効果的だと思ったことは、上司から言われていないこと、与えられてない仕事でも取り組んで、より高い成果を出すことに注力するというスタンスですね。

2つ目は、協調性です。これも、単純に「ただ他人に同調する」ということではありません。

チーム・会社にとって、より大きな利益を出すために、どのように協力をすべきかと考える力と言えるかもしれません。

成果をためには、自分の専門性だけではなく、他部署や外部と協力することで、より大きなチームとなって取り組むことが必要となるケースがほとんどです。

個性や考え方が違う、多様な人たちと協力して、物事を前に進める力ですね。

3つ目はシンプルで、好奇心です。エンジニア職であれば、これは特に重要ですね。面白いアプリがリリースされたら、すぐにインストールをして試してみる。新しい技術が生まれたら、それをすぐに試してみる。

特にIT領域では、技術の変化も激しいですから、好奇心を持って新たな技術をキャッチアップできるかどうかも重要なポイントです。

採用という観点で言えば「過去に取り組んだこと」を聞いて、上記の力を判断する材料としていますね。

「取り組んだ物事自体」はあまり重要ではなくて、どのような思いで、問題に対してどんなアプローチを行ったか。その経験やその時思ったこと、考えたことから、上の3つの力があるかどうかの判断をしています。

前回、プログラミングの話をしましたが、プログラミングに取り組む人も、以上の観点は重要です。

これからの時代で必須になりつつあるプログラミング。エンジニアにならなくても、プログラミングを学んで得られるITリテラシーや、物事をやりきる力は、社会人において大きな力になる。

とは言え、ただ闇雲にコードを書くだけでは、得られるものは多くありません。より良いものを生み出すために、どんな思考をして、どう取り組んだか。

そういった観点を踏まえてプログラミングに取り組んでほしいなと思います。

ー稲垣さん、本日はありがとうございました!