そもそも、人材業界って何?どんな業界?
まずはじめに、人材業界とはどのような業界なのか、解説していきます。
人材業界とは、一言で言うと、企業と働く人をつなぐ仕事をしている業界を指します。
企業側の採用に関する課題、職者の転職に関する課題を解決する仕事と言えます。
人材業界は、派遣会社からクライアントの会社に人材を派遣する「人材派遣サービス」、企業に人材の紹介をする「人材紹介サービス」、転職者と企業をメディアでつなぐ「人材広告」、企業の採用戦略や人事計画を立案する「人材コンサルティング」の4つから成り立っています。
もう少し具体的に説明します。
一時的に人が足りず、派遣という契約期限つきで人を雇いたい企業と、働きたい人の仲介に入り、スムーズにお互いがやり取りをできるサポートをするのが「人材派遣サービス」です。
電車の中や駅で見かける転職者に向けた情報を広告として打ち出しているのが、「人材広告」です。
そこから実際に転職の相談に来る人と面談し、企業側のニーズに合わせて企業に転職者を紹介するのが「人材紹介サービス」です。
採用を含め、企業側に立って人事戦略や採用したい人の理想像をクライアントと一緒に考えていくのが「人材コンサルティング」です。
人材業界で働く人の仕事内容は、人材を求めている企業への営業、企業からの採用課題に関する情報収集、転職者との面談などのサポートサービスの提供と、多岐に渡ります。
また、気を付けて欲しいのは就活生の想像する人材業界は現実と異なる事が多いという事。なぜなら、就活生が関わり、情報が多く入ってくるのは「新卒採用のサービス」であるからです。
就活生は人材業界と聞くと、リクナビやマイナビの情報提供サービスや、エンカレッジの面談などの就職支援サービスなど、新卒採用のサービスを想像することが多いと思います。
しかし、実際には、就活市場よりも転職市場の方がはるかに大きいです。その理由は、就活生に対して社会人の方が遥かに人数が多いため、その分人材サービスのニーズも高まるため。
「人材業界で市場規模が大きいのは、新卒採用市場ではなく転職市場」という事実を念頭に置いておくと良いでしょう。
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人材業界は、市場規模が4兆から7兆円に!
人材業界の仕事内容のイメージはつかめましたか?
人材業界に就職を考えている就活生が注目するべき情報は、ここ数年の急成長でしょう。
2011年以降の人材業界の市場規模の変化を表すデータを見てみましょう。
人材業界の2017の市場規模は、約7兆円です。
グラフを見ると、人材業界の市場規模は右肩上がりに成長しており、4年前と比較して約2倍の大きさになっています。
これらの情報から人材業界は短期的に見ると成長しており、これからも成長すると予測されています。
一体なぜでしょうか。
それは、現在、2020年のオリンピック開催に向けたオリンピック関連の仕事が国全体として増えている影響だと言われています。
わかりやすい例を挙げると、オリンピックのための競技場の建設や、外国人客に向けたホテルや観光に携わるインバウンド業界で、積極的に事業投資がされています。
多くの企業で仕事量の増加に伴い、採用を強化しているため、人材業界全体としても市場規模が大きく成長しているのです。
市場規模拡大中の人材業界。実は不安定?!
これまでの情報をみていると、今後も成長し続けていくと思うかもしれません。
しかし、人材業界は変化が大きい業界と言われており、今後も変化が起こっていくと言えるでしょう。
人材業界に就職を考えている就活生にとって、今後の動向がどうなるのかの情報はとても気になりますよね。
では、就活生の視点から人材業界の今後について詳しく見ていきましょう。
結論から言えば、人材業界は変化が大きい業界のため、数年後の将来の予測をして一言で言うのは難しいです。
なぜかというと、人材業界は、時代の変化や景気の影響を受けやすい業界だからです。
どういうことか、詳しくみていきましょう。
人材業界の市場規模に影響を与えるのは主に、国の景気によって変動する「企業の採用ニーズ」=求人数、と「求職者の転職ニーズ」=求職者数の2つです。
景気が良い時と悪い時に、人材業界にどのような影響があるのか説明していきます。
◆景気が良い時
景気が良い時は経済が活発に動いているため、企業の事業は安定、または成長期にあります。
そのため、事業の拡大のために多くの人を採用します。
この時、「企業の採用ニーズ > 求職者の転職ニーズ」となっている売り手市場の状態です。
企業側は採用コストをかけてでも人材を獲得したいため、人材紹介サービスのニーズが高まり、人材業界の市場規模は拡大していきます。
◆景気が悪い時
景気が良くないとき、企業の事業は不安定になりやすいため、多くの企業は停滞、衰退していきます。
そのため、企業は人を採用することに消極的になり、さらには採用をクローズする企業も出てくるでしょう。
最悪の場合、企業からリストラを余儀なくされ、職を失った人が市場に溢れます。
この時、「求職者の転職ニーズ > 企業の採用ニーズ」という買い手市場の状態です。
この状態になると、人材紹介サービスのニーズが低くなり、人材業界の市場は縮小していきます。
実際に、2008年のリーマン・ショック後は、多くの企業が採用をストップすると同時に、リストラされた求職者の数が急増し、転職市場は衰退していました。
大手の人材会社も25%ほどの社員をリストラするという状況で、人材業界全体が冷え込んでいたとの情報もあります。
このように、国の景気変動による影響が大きい業界ですので、今ある情報から今後の将来性を予測するのは難しく、また、安定している業界とは言い難いでしょう。
少子高齢化やAIの登場が、人材業界に与える今後の影響
オリンピックの影響で人材業界は現在成長している業界の一つですが、今後2020年以降の市場は誰も予測ができません。
では、一体どのような変化が、人材業界の今後に影響を与えるのでしょうか。
近年注目されている、少子高齢化やAIの登場という情報から、人材業界に与える影響を紹介していきますので、ぜひ参考に考えてみてください。
◆少子高齢化
2020年には国内の人口の約30%が高齢者であると言われており、日本社会の大きな課題となっている少子高齢化。
この変化は、人材業界にどのような影響があるでしょうか。
高齢化ということは、日本全体で働ける年齢の人口が少なくなるため、企業は人材の獲得が難しくなります。
そこで人材会社を利用する企業は増える可能性があります。
しかし、減少している働き手から、企業が求めている採用条件に合う人材を集めるためには、人材会社としての信頼、そしてキャリアコンサルタントとしての個人の信頼が今以上に求められることになるでしょう。
◆AIの登場
近年のAIの導入により、将来は人の仕事がロボット化されるのではないかと言われています。
例えば、誰もが知る大手金融機関が採用数を大幅に減らしたのは記憶に新しいかと思います。
このようにAIの登場により、特定の業界ではすでに変化が起こっています。
人材業界は、そのような業界構造の変化をいち早くキャッチし、今後どの業界が伸びていくのか、どの業界が停滞しているのかを見極め、クライアントや候補者と向き合っていく必要があります。
人材業界に就職する人へ。今後求められる力とは
人気業界であるとともに、変化の多い業界である人材業界。
もし、あなたが変化の激しい人材業界に就職するのであれば、今後どのような力が求められてくるのでしょうか。
今回は、今後の世の中の変化に合わせて3つの観点からお伝えします。
◆グローバル人材を扱う能力
一つ目は、今後日本の人材不足に伴いますます増えていくであろうグローバルな人材を扱う力です。
楽天が社内公用語を英語にしたことが近年注目されていますが、今後の働く世代の減少の対策として、多くの日系企業に外国人の働き手が増えていくと予想されます。
すると、必然的にグローバル人材の転職が増えるでしょう。その転職のお手伝いをするのは人材業界の社員です。
転職市場に多くのグローバル人材が求職者として出てきたときに、異なる価値観の人と信頼関係を築き、成果に繋げられる力が人材業界で働く人に求められるでしょう。
◆個人のブランディング
近年の世の中の動きとして、「大企業=安泰」と言い難くなっており、組織よりも個人が信頼される時代に移り変わっています。
人材業界でも、「A社にお願いしよう」ではなく、「Aさんにお願いしよう」という信頼関係で仕事が来ることもあります。
ただ業務をこなすのではなく、クライアント企業と、転職者と、丁寧に信頼関係を築き、「この人に任せたい」と思ってもらえるように個人をブランディングしていく力が重要になると考えられます。
◆今後のキャリアを見据えた選択を
どの業界にも言えることですが、現代は一つの企業に就職したら、一生安泰ということは言い切れない時代です。
自分の今後のキャリアを見据えて、どのようなスキルをいつまでに身につけておきたいのか、そのために何をするのかを考えておくことが重要です。
その上で、なぜ人材業界に就職したいのか、人材業界に就職して何がしたいのか、自分の中で未来を見据えてキャリアの選択を考えてみてください。
就活生に人気の人材業界に就職するには、高い倍率をくぐり抜ける必要があります。
ESや面接で必ず聞かれる志望動機を自信を持って答えられるように、より深く、徹底的に人材業界の業界研究を進めましょう!
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